Angelo Mota
Instagram:@angelomota
ニュージャージー州ウエストオレンジのアーティスト。トラディショナルでソウルフルなサンプリングや808サウンド、強烈なハイハットが鳴るトラップまで2010年代ヒップホップの重要ファクターを絶妙にブレンドして現代的にアップデート。渋くも包容力のある歌声が魅力。2020年に発表したシングル「Do Not Disturb」はSpotifyにて270万再生を記録。
ー音楽を始めたきっかけは?
父と母がいつも家の中で音楽を演奏していたことと、小学校3年生でバンドやオーケストラといった授業が始まったので、子供の頃から音楽に触れる機会が数多くありました。学校ではずっとドラムを叩いていたので、それによって音楽に関する多くの扉が開かれたと思いますね。それが今の私の音楽性にも確実に表れているので。その後、高校時代のある日、友人のシュアンの家に行って、初めて曲を録音しました。
ーあなたの曲の中で一番おすすめの曲は何ですか?
「Do Not Disturb」ですね。この曲は私という人間を忠実に表現していて、今まで私が得てきた感覚や、現在の私の音楽に取り入れている様々なスタイルが含まれているからです。
ーアーティスト名の由来を教えてください。
私のアーティスト名は、生まれつきの本名なんです! 他の名前もいくつか持っていたんですが、最終的には名前もメッセージも本当に自分らしくありたいと思うようになり、本名を名乗ることにしました。
ーあなたにとって音楽とは何ですか?
音楽は私にとっての癒しです。音楽がなければ、私たちの社会はあらゆる障害を乗り越えることができなかったと思うんです。芸術は、私たちが直面する日々の問題から逃れ、人々を幸せにしてくれるものなので。
ー影響を受けた音楽やアートはありますか?
Kanye WestとEarl Sweatshirtは、僕の初期の音楽に大きな影響を与えたと思います。インスピレーションを受けた人のリストを挙げたら、おそらく何日もかかってしまうのでキリがない(笑) もっとルーツ的なところで言うと、母が本当にクリエイティブな人なので、私のクリエイティブへの意欲はそこからきていると思います。
ー初めて買った曲/アルバムは?
Kanye Westの『The College Dropout』。幼い頃に父に勧められて聴いて以来、ずっとファンですね。
ーもし音楽の仕事をしていなかったら、何をしていたと思いますか?
デザイナーかコンピューターの仕事をしていたと思います。
ー味を持っているアーティストや、特にリスペクトしているアーティストがいれば教えてください。
Flying Lotusがとても好きで、最近彼のカタログを再チェックしているところです。彼のアルバムや曲の構成は天才的だと思います。
ーどのような環境と機材で音楽制作をしていますか?
今はアパートでラップトップとMIDIキーボードを使って制作をしていますが、ずっとこの方法でやっていくと思いますね。そういう感じが大好きなんです。
ー幼少期はどんな子供でしたか?
よくしゃべる好奇心旺盛な子供でした。色んなことを調べたり、新しいことを学ぶことにもとても興味がありましたね。
ー趣味は何ですか?
テレビゲーム、写真、グラフィックデザイン、いろいろなところに食べに行くのも好きですね。
ー最近ハマっていることは?
ゲームの『ロケットリーグ』にハマっていて、隔離されている間にめちゃくちゃうまくなりました(笑)
ー最近、自分が変わったと思うところはありますか?
自分自身とよく向き合って、良い方向に変わったと思います。大切な人たちのサポートがあるからこそ、私はベストな状態でいられるし、悩んでいたことも解決できるんだと思っています。
ー音楽を作る上で大切にしていることは?
自分に対して批判的になりすぎないことですね。それは創作活動の妨げになるし、自分が取り組んでいるものが最高のものになるチャンスを得る前に、自分で自分を下げてしまうから。一人で作業するのが好きなんですが、一人だとそういう気分になってしまうこともあるので、大切な人たちと一緒に作業するようにもしています。そうすることで、本当に素晴らしい音楽が生まれるんです。
ー最新の曲について教えてください。
今はまだスタジオ・アルバムを作っている最中ですが、最近、友人のアーティストWELL$と『ZAÏRE』というプロジェクトを立ち上げました。これは僕らの甥っ子の誕生を祝うために作ったアルバムで、1週間で作って車で8時間かけて友達のベビーシャワーに行き、その甥っ子の両親に聴かせたんです。
ー今はどのような音楽に取り掛かっていて、どんなインスピレーションのもと制作していますか?
今まで作ってきた中で、一番気に入っている曲を制作中です! 音楽を仕事にしていることを本当にクールだと思っているし、自分のサウンドやアイデアを発信できるのも最高に嬉しい。すごく自由な発想で、日々の生活や身近な人との会話から、いつもたくさんの素晴らしいインスピレーションを得ています。
ーあなたの夢は何ですか?
私の夢は、他人の助けになることと、自分自身が心地よくいられるようにすることです。
*photo 1 (red gloves covering eyes) shot by Shannon Linderphotos
2 and 3 shot by Elena Ganz
*写真は全てアーティストからの提供です。
掲載号:VI/NYL#002(2021年12月30日発売)
■VI/NYL