Brijean
Instagram:@heybrijean
現在LAを拠点に活動するシンガー、ソングライター、パーカッショニストのBrijean Murphyとプロデューサー、キーボーディスト、ベーシスト、ソングライターのDoug Stuartよる、インディ・エレクトロニック・ベッドルーム・ポップをベースとしたデュオプロジェクト。2ndアルバム『Feelings』で彼らのオリジナルサウンドが確立。
ー音楽を始めたきっかけは?
Brijean ロサンゼルスの音楽一家で育ちました。父はパーカッショニストで、Tito Puente、Harry Nilsson、Crazy Horse、Hiroshimaなど多くのグループで演奏していて、父の親友やバンドメンバーの中には私を指導してくれる人もいました。父の親友のパーカッショニストVince Charlesが亡くなった時に、彼のコンガを私が譲り受けたことが、ミュージシャンになることに興味を持つきっかけになったんです。
ー最もおすすめする曲は?
Brijean 「Wifi Beach」は、自分たちの世界を紹介するのにぴったりの曲。ジャズ、ハウス、ディスコ、サイケなど、最も影響を受けた音楽がベースになっています。
ー最新曲について教えてください。
Brijean TychoとDeath Cab For CutieのBenjamin Gibbardとのコラボレーション作品を出したばかり。彼らの曲「Only Love」を再構築したこの作品に取り組めたのはとても嬉しかったです。TychoのScottと初めて出会ったのは、2019年に彼とバンドのツアーに参加した時。プールサイドでパーカッションを担当したんだけど、Tychoの最後のツアーをサポートしながら、2020年2月と3月にヨーロッパ中をダブルデッカーバスでTychoと寝泊まりしました。このツアーが最高でした!
ー今どんな音楽を作っている?
Brijean 次のEPを制作中です。パンデミックの間、私たちはとても刹那的な空間にいるということに気付き、それを反映した内容になっています。Lonnie Liston Smith、Piero Piccioni、安河内 秀太、Buscabulla、Astrud Gilberto、BROAD CAST、Anthony Ferraro、Gabor Szabo、John Barry、Candido、Moodymann、America、Bonnie Raitt、Kool & The Gangなど、色んなジャンルの音楽に影響を受け、最新アルバムでは今までのサウンドスタイルに加え、自分たちにとっての未知の領域に踏み込んだ新しいサウンドやムードを表現しています。
ーどのような環境で、どのような機材を使って音楽を作っていますか?
Dougie ロサンゼルスの自宅にスタジオがあるのは、とても恵まれた環境ですね。そこにはソフトな照明と毛足の長いカーペットがあり、それが僕らの作るもの全てに影響を与えています。Logic Proを使って制作しているんですが、ライブパーカッション、Roland TR-8S、Fender Rhodes、Roland JUNO-60、KORG minilogue、Fender Precision Bassをよく使っています。できるだけ使わないようにしていますが、たまにソフトウェア音源を使うこともありますね。
ー最近ハマっていることは?
Dougie おいしいスープを作ること(笑) トスカーナ産のケール、白豆、チャバタのスープです。チャバタは餃子みたいな感じで、レシピにはアンチョビとレッドチリフレークが入っていて見栄えがポップです。
ー最近興味があるものは?
Dougie ポートレート写真ですね。2015年にアメリカとカナダをツアーで回った時に始めた写真プロジェクトを再開したんですが、主にクラブ、空港、ガソリンスタンド、レストラン、自宅などで、ポラロイドカメラを使ってポートレートを撮影し、その人の人生における一曲を聴くというプロジェクトです。あと最近、Paul Trevorの 「In Your Face」を購入しました。1970~90年代にイギリスで撮影されたモノクロの即興的なポートレートを集めたもので、とても魅力的な作品集なんです。それからMartin Parrの作品もとても刺激的。彼のテクニカラーのポートレートは、深みがあって風変わりな個性を持っていて、彼の作品から絵画のインスピレーションを得ています。
ー音楽を作る上で大切にしていることは?
Brijean 楽しむこと、直感を信じること、そしてどんどん枠を超えて創造することを周りに応援してもらうこと。音符や音色だけを見ると必ずしもしっくりくるわけではないけど、自分の直感に従うことで想像もしなかったような、広く愛らしい世界に出会うことができるんです。
ー今後の活動・リリース予定を教えてください
Brijean 2022年初頭に、いくつかのコラボレーションとEPをリリースする予定。1月と2月に行われるWashed Outの北米ツアーのサポートにも入る予定です。
ーあなたにとって音楽とは何ですか?
私にとっての音楽とは、とても深くて一定の形を持たないもの。音楽 という形づくられた概念だけではなく、様々な命を宿していて、 ストーリー、コミュニティー、思考、ダンスを表現すること ができる。また多くの感情を持っていて、怒りや喜び、 安らぎなどたくさんの表現を包み込み、呼び起こすことができる。あらゆる可能性を持っている、音楽のそういうところが大好きです。
*このインタビューは2021年12月30日に発売されたVI/NYL #003のために実施されました。
*写真は全てアーティストからの提供です。
■VI/NYL