#003-Noise from Under

#003-Noise from Under

Noise from Under

Instagram:@noisefromunder

 

インドネシア・ジャカルタを拠点に活動するプロデューサー・シンガー「abim」によるプロジェクト。2016年からNoiseという名義でグループ活動を行う他、HIPHOPコレクティブ“ONAR”への参加でも知られている。202111月、ソロとしてNoise From Under名義での1stアルバム『Aliquem Alium Internum』を発表。

 

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ー今どんな音楽を作っている?

アルバム『Aliquem Alium Internum』が10月下旬にリリースされたばかりです。今は 「Discordant」 に取り組んでいて、ゲーミングに特化したチャットアプリDiscordをベースにした共創プロジェクトとして音楽を制作するための集団的な方法について実験したいと思っています。Noise from UnderDiscordサーバーのメンバーに、あるテーマを思い浮かべた音を録音して送ってもらい、共同プロデューサーと協力して、その音をもとにトラックを制作するものです。将来的には、Discordantの音楽プロデューサーとして貢献してもらうことも可能。第1回目のテーマは「Overshadow」。将来的には、Discordantのトラックをたくさん作って、EPとしてリリースする予定です。これはインドネシアのサウンド&ビジュアル・アート・レーベル「DIVISI62」が、ロックダウンの初期に同じような取り組みを行ったことに触発されたプロジェクトですが、Throbbing Gristleのプロジェクトにも影響を受けました。彼らはたくさんの音を使って実験をしていて、Discordantでも同じような方法を試したいと思っています。曲の構造ではなく、音の探求に焦点を当てているんです。サウンド面ではインダストリアル・ミュージックが中心ですね。一般的にはポップソングが好きで、作るのが簡単ではないからこそ大衆の耳に訴えることができるんだと思います。

 

ー音楽を作るときに大切にしていることは?

明確さ。私の音楽は歌詞だけでなく、サウンドや音楽アレンジの面でも自分が感じたことや考えたことを正確に伝えたい。私にとってサウンドと音楽のアレンジはトラックの最も重要な2つの側面。意味や解釈が制限されることがあるので、歌詞はただの言葉です。

 

ー今後の活動・リリース予定を教えてください

ライブセットの準備をしています。ライブにパフォーマンスアートを取り入れようとしているのと、Discordantのクリエイション・プロジェクトへの応募を受け付けていて、それが次の音楽リリースになります。2022年に向けては、自分の世界を作るために実験的なアプローチで、Noise from Underのグッズを開発しています。

 

ーアーティスト名に込められたストーリーを教えてください。

カール・ユングの精神の概念から着想を得ています。私たちの中には、誰にでも未知の世界が存在するので「Noise from Under」という名前を思いつきました。私がアンダーから作り上げる世界。

 

 

ーあなたが影響を受けた音楽やアートは?

バウハウスのデザイン運動の重要なエートスは、私の創作活動にとても役立ちました。バウハウスの理念を学んでいなかったら、今の私のような完璧主義者にはなっていなかったかもしれません。COMME des GARÇONSの川久保玲さんや漫画「ONE PIECE」の尾田栄一郎さん、Kanye WestYe)のアルバム『808s & Heartbreak』や『Yeezus』、Nine Inch Nailsの『The Downward Spiral』、Koilの『Blacklight』にも大きな影響を受けています。Koilはインドネシアのマス・オーディエンスにインダストリアル・ミュージックの要素を取り入れることに成功したバンド。メロディーと歌詞が心の奥底に響く。パフォーマーとしては、Michael JacksonとドイツのBlixa Bargeldをミックスしたような存在になりたい。Martin Margielaのファッションへのアプローチからも大きな影響を受けました。身の回りのものを解体して、自分の視点と想像力で新しいものを生み出すことを楽しむようにaなりました。その他、グラフィック・アーティストのFutura、マルチな才能を持つファッション・クリエイターJudy Blame、そしてZdzisław Beksiskiの絵画がとても好きです。

 

ー初めて買った曲やアルバムは?

LINKIN PARKの『Hybrid Theory』。MTVで「Crawling」を見て、すぐに虜になって母に頼んで楽器屋さんでカセットを買ってもらいました。私の音楽センスの初期の基礎となりました。

 

ー子供の頃から変わっていないことはありますか?

誰も私をコントロールできないこと。

 

ー最近ハマっていることは?

YouTubeにアップされている、彼氏・彼女の浮気がバレた人たちの動画。笑えるし悲しくて好きです。

 

ー最近のベストニュースは何ですか?

Noise from Underが「RAVEPASAR2021」に招待されてパフォーマンスしたこと。RAVEPASARとは、バリ島のデンパサールにある実際のストリートマーケット(インドネシア語でパサール)で開催されるレイヴイベントです。

 

ーあなたの国の良いところを教えてください。

インドネシアは本当に大きくて、ヨーロッパ全体が一つの国で作られたようなものです。だから刺激的な文化的な製品がたくさんあるけど、やっぱり一番の魅力は食べ物ですね!

 

ーあなたの夢は何ですか?

自分の世界を持つこと。

 

 

Profile photo credits: Sherdinan Sulthan (Instagram: @sherdysher)

 

*このインタビューは2021年12月30日に発売されたVI/NYL #003のために実施されました。

*写真は全てアーティストからの提供です。

 

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