Bambounou
Instagram:@bambounouu
DJ/プロデューサー。本名Jéremy Guindo。2010年にセルフリリースした2枚のEPがきっかけでModeselektorに才能を見出される。その後50Weapons、Disk、AD 93など著名レーベルから多数のEPを続々とリリースし、パリ・クラブシーンにおいて、瞬く間に確固たる立ち位置を築いた新鋭。2021年「Bambe」という個人レーベルを立ち上げた。
ーあなたが住んでいるところは?
僕はパリで生まれ育ち、今もパリに住んでいます。他の都市には馴染めませんし、世界で一番好きなところだと思っています。陳腐な言葉になってしまうかもしれませんが、僕は美しいものに囲まれていなければいけないなと思っています。そして何よりも大切なのは、僕が愛し大切にしている人々に囲まれていることです。
ーまわりの音楽シーンのトレンドは?
今、パリで最も人気があるのは、bpm150以上の非常に速いテクノです。みんなは、こういう感じのクロスオーバーのトランシーなユーロテクノに夢中になっていますが、個人的にはこういったタイプの音楽はやっていません。あとフランスでは、ラップミュージックは新しいポップミュージックのように、今どんどん大きくなっていますね。
ー音楽を始めたきっかけは?
振り返ってみると、僕の母のパソコンにFruity Loops(現在のFL studio)をダウンロードして、いろいろと試してみたのが、音楽を始めたきっかけだなと思います。
ー今どんな音楽を作っている?
最近は、Hikari Instruments Monos という日本製の小さなアナログマシンにすごくハマっています。基本的にはすごく複雑なノイズジェネレーターなのですが、とても面白い音が出て新しい感じなので、それをいじり始めたんです。実験的に、それを使って全てを録音してからトラックを作ろうとしています。音があまりにもランダムなので、とても面白いプロセスではあるのですが、いろいろ深くいじってみると、最終的には素晴らしい素材が出来上がります。
ー制作のインスピレーション源は?
本、絵画、人、雰囲気など、あらゆるところからインスピレーションを得ています。例えば、最近はスタジオがないので、自宅の隣にある図書館に行って仕事をしています。図書館では周りの人たちが研究などをしているのに、僕はそこでテクノや思いついたトラックを作っているんです。そのパラドックスがとても面白いですよね。図書館では普通の学生と同じように8時間もそこで過ごしていますが、僕はいつか追い出されてしまうかもしれないなと思っています。
ー幼い頃から変わらない自分の性格は?
小さい時から物事の仕組みにとても興味があったんです。今でも、常に新しいことを学びたいと思っています。たとえそれが自分のやっていることに全く役に立たないことであっても、新しいことを学ぶことは豊かで刺激的なことだと思います。
ー注目しているファッションブランドはありますか?
自分のレーベルなんですが、BambeのTシャツを、SPAというイギリスやドイツのクールなブランドと一緒に作ったので、ぜひ注目してみてください。
ー気になっている音楽ジャンルは?
音楽のジャンルとしては、今はダンスホール、フレンチ・カリビアン・ダンスホールが気になっています。テクノ・トラックの合間にダンスホールをかけて、クラブにいる人たちを、不安定な気持ちにさせることを結構してますね。あと、友人のAho Ssanが最近やっている、ノイズ系のIDMラップも大好きです。
ー音楽を聴くときに使う機器は?
僕はスタジオを持っていないし、残念なことにラップトップのスピーカーも壊れてしまったので、今はヘッドホンでしか音楽を聴きません。でもヘッドホンは使い分けていて、ミックスやディテールをチェックするために、タイプが異なる3つのヘッドホンを使っています。
ー今後の活動・リリース予定を教えてください。
つい最近、Bambeというレーベルを立ち上げたのが大きなニュースの一つです。そのレーベルでは今のところ、ソロの「Cascade」という作品と、友人のBruceとのコラボ作品「Final Conference」という作品を作ったくらいなのですが、これから色んな面白いことを考えているので、皆さんに聴いてもらうのが楽しみです。
ーおすすめの曲を3曲教えてください。
ある一日のシチュエーションに沿って曲をおすすめしていきたいと思います。
まず、Lejemss & Natoxie & Bosslaの「Ka'k It Up (Recette Riddim)」は、外が晴れていて、ちょうどランニングから戻ってきたところで、これから仕事をする、という時に聴いてほしい曲。週の初めにダンスホールを聴いてから、もっと実験的なことをするのが好きなのでこれを選びました。
その後、仕事をする気分になるために、Rainforest Spiritual Enslavementの「Snake Head Cemetery」を聴きます。Rainforest Spiritual Enslavementは僕の友人なんです。この曲を聴いて、音楽に合わせて簡単な瞑想をするのが第2ステップ。
最後に、Take a Micの「Mec du hood」 を聴きます。一日の終わりに、フランスのラップを聴いてリラックスするんです。ぜひ試してみて。
*このインタビューは2021年12月30日に発売されたVI/NYL #005のために実施されました。
*写真は全てアーティストからの提供です。
■VI/NYL