#006-8485

#006-8485

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通称「eighty」。カナダ・トロントを拠点に活動する、新世代のエレクトロポップ・スター。8485名義でのソロ活動だけでなく、ユニットHelix Tearsのメンバーでもあり、コラボ曲も多数。SoundCloud、bandcampの流れを中心としたインターネットミュージックシーンで人気を集め、最近ではunderscoresなどの客演にも参加するなど、Z世代を中心に近年盛り上がりを見せているハイパーポップ界の中でも一線を画す気鋭の存在。

 

   


 

ー音楽を始めたきっかけは?

物心付いた時からいろんな形で音楽に関わってきたんだけど、小さい頃は合唱団で歌ったりピアノを弾いたりして、それから作曲を始めて、高校生の時に初めてバンドを組んだの。常に新しいことに挑戦して一緒に仕事をする新しい仲間を探してきたけど、8485として音楽を作り始めた時が一番ピンときたかな。

 

ー自分の曲の中で今の気分におすすめの曲は?

今は「hangar」。初期に作っていた音楽とは全く違うけど、今の思いをたくさん込めたの。blackwinterwellsがプロデュースしてくれた曲の中で一番好き。

 

ー最新曲について教えてください。

最新曲はTaylor Morganがプロデュースした「3cheers」。大晦日に酔っ払ってフリースタイルで演奏した時に生まれたポップなドラムンベースのトラックが特徴で、Rocket Leagueというゲームのために作ったの。これはサイボーグにされるために旅立った人が愛する人に手紙を書くという内容のチップチューン。あと、Anamanaguchiの「Water Resistant」という曲にも参加してる。彼らはゲーム音楽をたくさん作ってるけど、こんな形でフィーチャーされるのは初めてでとても刺激的だった。

 

ー今どんな音楽を作っている?

最近はダンスポップやムーディーなドラムンベースが多い。ダンスポップではボカロのトラックから受けた影響がとても大きくて、一時期は距離を置いていたけど最近またボカロの面白さにハマってる。ドラムンベースではImogen HeapやPinkPantheressからインスピレーションを受けていて、そこに抽象的な歌詞を乗せてるの。

 

ー音楽を作る上で大切にしていることは?

何かを語ること、物語を語ること、明確なコンセプトを探求すること。他のアーティストの楽曲では、音作り、キャッチーさ、マス受けを重視した曲を好きになることもあるけど、それは私のやり方じゃない。私はほとんど歌詞のテーマづくりから始めるの。私自分はシンガーというよりストーリーテラーだと思う。

 

ーどのような環境と機材で音楽を作っていますか? 

地下にある多目的ルームで音楽制作してる。仮設スタジオ、ビジュアルアートを作るためのテーブル、洋服のドレッサー、あとウサギが入ったケージなんかがあるの。使ってるのはSHUREの SM58やScarlett Studioのコンデンサーマイク、Scarlett 2i2。blackwinterwellsの自宅スタジオで制作した曲もいくつかあって、そのときはSHURE SM58、audio-technica AT2020、RODE NT1と彼女が持っているApollo Twinを使った。ギターはSquierのVintage Modified Mustangを使ってる。

 

ー今後の活動・リリース予定を教えてください。

完成したもの、ほとんど完成に近いものを合わせたら15曲くらいになるけど、どうやってリリースしていくべきか迷ってる。

 

 

ーアーティスト名に込められたストーリーは?

8485は、ユーザーの音楽制作やパフォーマンス能力を高め、オンラインコンテンツやペルソナとのエンゲージメントを促進するために開発されているソフトウェアの名前。あと私の名前「BABS」を数字で綴ったもの。

 

ーあなたにとって音楽とは何ですか?

変身するための手段。

 

ーあなたが影響を受けた音楽や芸術は?

ボカロ、Alice Glass、Mars Argo、Blackwinterwells、Drain Gang、初期のPCミュージック、Naomi Elizabeth、Imogen Heap、Purity Ring、Paramore、ほかにもたくさんあって、Sci-Fi、アニメ、インターネット黎明期の遺物からもインスピレーションを受けてる。

 

ー影響を受けた人物は?

私の姉。今興味を持っていることのほとんどは姉が教えてくれたもので、私が知っている中で最もクールな人よ。

 

ー初めて買った曲やアルバムは何でしたか?

Hilary Duffの『Metamorphosis』。幼稚園生の頃、毎日放課後にディズニー・チャンネルで『Lizzie McGuire』を観てたからね。

 

ー最近気になっているアーティストは?

aldn。新しいEP『predictable』のあまりの素晴らしさに泣きそうになった。

 

ー最近興味があるものは?

最近、ローマ皇帝マルクス・アウレリウスの『自省録』を読んでる。普段はあまり本を読まないけど、短いのに面白く心が洗われるような感覚を得られる。ストイシズムや哲学全般についてもっと学びたいの。

 

ー音楽の仕事以外に別の仕事をしていますか?

今は音楽だけ! パンデミック以前は手芸店で働いてた。

 

ー音楽の仕事をしていてよかったと思うことは?

音楽をやってなかったら知り合うことのなかった人たちと話ができること。あと世界中の人々や才能を持った面白いアーティストたちと知り合うことができること。

 

ーあなたの夢は何ですか?

自分自身と自分の世界をできるだけ多くつくり、それを理解してくれる人たちと共有すること。

 

 

*このインタビューは2022年5月14日に発売されたVI/NYL #006のために実施されました。

*写真は全てアーティストからの提供です。

 

■VI/NYL