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現在、ソウルを拠点に活動を行うインディペンデントな音楽コレクティブ。メンバー全員がシンガポール出身、剣術・ビデオゲームが趣味という共通のバックグラウンドを持つ。それぞれソロとしても制作を行っており、シンガポール、韓国、NYでの音楽経験を経て、2021年11月、コレクティブとしてのデビューシングル「POISON」を配信リリース。東洋と西洋の伝統的なサウンドを織り交ぜた楽曲作りを軸に、グローバルな展開を目指しているというアップカミングな彼らの活動に今後も注目。
ーアーティスト名に込められたストーリーは?
東洋と西洋の現代と伝統的な文化を取り入れ、新鮮で(FRSH)オルタナティブ(OFF)な国際的音楽体験を提供したいという思いを込めている。僕たちは、東洋の伝統的な要素と西洋の大衆的な感覚を組み合わせることによって、アジアの若者たちにとっての文化の架け橋となるような役割を目指していて、その結果生まれたのが、人々の心に触れるようなハイブリッドなビジョンなんだ。
ー自分たちの曲の中で最もおすすめの曲は?
グループとしてのデビューシングル「POISON」。この曲は、プロデュースから、作曲、エンジニアリングまでインディペンデントで作られた、人間としての経験を深く掘り下げたオルタナティブ・ヒップホップ・アンセム。
ー今どんな音楽を作っている?
B.LEO:オルタナティブR&Bのトラックをたくさん作っている。最近のインスピレーション源は、新旧のジャズ、ヒップホップ、それからR&B。古いものと新しいものを繋ぐことに美しさを感じるんだ。リスナーの好みは世代ごとに変わるけど、良い音楽は永遠だからね。
HOWE:僕は、自分の音楽観を形成する過程で影響を受けた多くの楽曲たちを改めて聴いていて、その素晴らしさを再確認しているよ。普段は心の中に隠れていても、音楽を作るときに頭に浮かんでくるような名盤は意外と多いんだ。R&Bというジャンルが長年にわたって進化してきた中で、その本質を追い求め、自分なりのものを作り上げているところ。Brianのエネルギー、Princeのエレクトロ・ファンク、Stevieのラヴァーズ・アンセム、Frankのソウルとパンクのハイブリッド……R&Bというジャンルの中でも、それぞれが独自のアイデンティティを持っている。僕は今、まさにアイデンティティを持とうとしているところなんだ。
The J: 最近は、ダークでありながら輝きを放っていて、アドレナリンが血管を駆け巡るような、トレンドと神秘的な要素を合わせ持った音楽を作っているんだ。リスナーには、僕の世界に迷い込んでほしいと思っている。自分を見失って、再び浮かび上がり、燃え上がるような、そんな世界に。インスピレーション源となっているのは、ヒップホップ、R&B、ハウスミュージックなどのジャンル。DEAN、Travis Scott、Channel Tres、Frank Ocean、Don Toliver、Ryuichi Sakamotoなどの楽曲にも影響を受けていると思う。
ー音楽を作る上で大切にしていることは?
HOWE:正直であること。刺激的で楽しくて内省的で、ときには馬鹿げた雰囲気の音楽を作りたい。それを感情のままに、自分たちにとって最も自然な方法でやりたい。正直じゃないものは作らない。
B.LEO:ありのままの自分を表現すること。感情は季節のように儚いもので、一旦変わってしまうと、二度と同じように感じられなくなるかもしれない。今を生き、勇気を出して自分を表現することが大切。音楽を作るときも同じで、写真のようにその瞬間を切り取ることで、その瞬間を永遠に残すことができるんだ。
The J:一番大切なのは、音楽が本当の僕を表現していること。僕が言えることだけを言い、僕が感じられることだけを歌う。もしそれが自分の中から出てきたものじゃなければ、それは本物ではないから。それは僕を感動させないし、きっとあなたを感動させることもない。これは人から人への体験であって工場ではない。もし、あなたが僕の感情やオーラに触れることができたなら、それが僕にとっての成功なんだ。
ーあなたにとって音楽とは何ですか?
HOWE: 整理された音(この定義については、僕の教授であるJeff Peretzに感謝する)。つまり、最終的に人を感動させる作品を作るための音と、それを届けることの組み合わせ。
ー影響を受けた音楽や芸術は?
HOWE: Frank OceanとKendrick Lamarは最も優れた存在だと思っている。それから、自分とは異なるジャンルに興味を持っている友人や家族の会話、メッセージ、SNSの投稿にも影響を受けるかな。『STAR WARS』も最高!
ー影響を受けた人物は?
HOWE: 義父のAdam Leeがいなければ、僕はミュージシャンとしても一人の人間としても、今の半分にも到達できなかった。彼は天才で、とんでもなく才能のあるプロデューサーで、アレンジャー、マルチ・インストゥルメンタリスト。僕に音楽の知識を伝授し、音楽機材を全てセットアップし、僕の人間としての基礎を築いてくれた存在。彼の仕事に対する姿勢は、僕がより良い人間になるための刺激にもなっているんだ。まだその恩返しはできていないけど。
ー音楽の仕事をしていて良かったと思うことは何ですか?
B.LEO:誰かの人生をより良く変えられたり、誰かにインスピレーションを与えることができるかもしれない、という可能性があること。
ー今後の活動・リリース予定を教えてください。
あまり多くのことは公表できないんだけど、FRSHの視点で新しい楽曲やビジュアル、コンテンツをすぐみんなに届けられるように、今色々と頑張っているところ。僕たちのチャンネルに乞うご期待!
*このインタビューは2022年5月14日に発売されたVI/NYL #006のために実施されました。
*写真は全てアーティストからの提供です。
■VI/NYL