#007-Michael Seyer

#007-Michael Seyer

Instagram:@michaelseyer
 

ロサンゼルスを拠点に活動するシンガーソングライター。2016年の1stアルバム『Ugly Boy』でデビューを飾る。2ndアルバム『Bad Bonez』からのシングル「Lucky Love」がSpotifyで数百万再生を記録。2021年にはニューアルバム『A Good Fool』のリリース、Men I Trustの北米ツアーへオープニングアクトとして帯同するなどその音楽性への信頼は大きい。自身も2022年4月から全米ツアーを敢行している。

 


 

ー音楽を始めたきっかけは?

嫉妬の感情だったんだよ。兄と従兄弟が一緒にギターを弾いていたんだけど、僕は当時弾き方がわからず、仲間はずれにされていたんだよね。それから数週間くらい自分の部屋でThe Beatlesの曲を夢中になって勉強していたら、すぐに演奏できるようになって。それが何よりも楽しいと思い始めたんだ。もともと音楽は好きだったし、父に色々な音楽を聴かせてもらっていたしね。高校生の時にビートを作り始めて、そこから色んなジャンルを飛び回って、いくつかのバンドでも演奏して何でもトライしてた。自分で作った曲にとことんこだわって、Michael Seyerのプロジェクトを始めたんだよ。

 

ー影響を受けた人物は?

たぶん父だと思う。

 

ー子供の頃から変わっていないことは何ですか?

昔から変わらないことは、こだわりが強かったり、そうかと思えば突然興味がなくなったりするところ。何かに没頭して多くの時間と労力を費やすことができるけど、一度自分の作品になったと思ったら、それを捨ててしまったりもする。

 

ー子供の頃の自分に何かアドバイスがあるとしたら?

毎日音楽を作ること、とかかな。

 

ー趣味は何ですか?

音楽以外だとテレビゲームはよくやるよ。

 

ー好きな言葉は?

“Ambiguous”はいい響きだと思うね。

 

ー初めて聴くリスナーにおすすめの1曲は?

難しい質問だね。アーティストは自分の曲をあまり薦めるべきじゃないと思うんだよ。でも、「Lucky Love」は、多くの人が惹かれる曲みたいで、僕自身、今でも嫌いじゃないから誇りに思っている。普段はみんなが好む曲をあまり楽しめないんだけど、この曲は今でも通用すると思うし、そう願っている。優しくも現実的なメッセージが込められているところも気に入っているんだ。この曲を作るのはとても楽しかったし最初に作った曲の一つ。本当は最初のアルバム『Ugly Boy』に入れるつもりだったんだけど、曲として良いと思えるまでは放っておくことにして、結局2枚目のアルバム『Bad Bonez』に入れたんだ。

 

ー初めて買ったアルバムは?

ハリウッドのレコードショップAmoeba Musicで買ったLauryn HillのCD『The Miseducation of Lauryn Hill』だったんじゃないかな。

 

ー音楽の仕事以外に別の仕事をしている?

幸運なことに、生活のために音楽をやっているだけでいいんだ。クレイジーな生活ではないし、かなりシンプルな毎日を送っていると思うから、そのことにも助けられているね。

 

音楽をやっていて良かったと思うことは何ですか?

毎日起きてから曲作りの時間があること。曲が浮かんでこないと大変だけど、その時間は、いつも謙虚な気持ちになれるんだ。

 

ー今はどんな音楽からインスピレーションを受けている?

オルタナティブ・ロックをよく聴いているよ。今はただ聴いているだけで、どうインスピレーションを受けているのかもわからないけど、Sonic Youth、The Lines、The Cureといったアーティストを聴いていて、たまにBjörkの作品を聴き返したりしてる。

 

ー最近気になっているアーティストは?

Big Thiefの新しいアルバムと、Felbmというインストゥルメンタル曲を作っているオランダのアーティストがとても気に入っているよ。

 

ーどんな環境と機材で音楽を作っている? 

普段は自宅のスタジオで作業しているんだけど、どんな機材を使うかはあまり重要ではないと思っているんだ。悪い機材でも良い音楽は作れるし、良い機材でも悪い音楽になることもある。自分の好きなもの、使えるものを使えばいいと思っているよ。

 

ーあなたにとって音楽とは?

僕にとって音楽は、単なる表現に過ぎない。

 

ー音楽を作る上で大切にしていることは?

僕にとって音楽を作る上で最も重要なことは、ただ正直に自分自身を表現すること。

 

ー最新曲について教えてください。

最新アルバム『A Good Fool』のレコーディングは、僕の引っ越し期間中に行われたんだ。まだ機材が部屋のあちこちに散らばっていて、完全に落ち着いて曲を作れる状態じゃなかったから、アルバムの曲調はとても静かでささやくような感じになったんだと思う。ほとんどの曲はアコースティックギターで始まるんだけど、僕はこのプロセスがすごく気に入っている。結果、面白い曲が作れたし、これまでより少し無防備に歌詞を書けるようになったのはとても良かった。

 

ー今後の活動・リリース予定を教えてください。

今のところ予定してるリリースはないけど、もうすぐツアーに出るから帰ってくるのは少し先になるんだ。僕はあまり物事を計画するのが好きじゃなくて。ツアーから戻ったら、もう何曲かレコーディングするつもり。自分のペースでリリースして、何か出したいと思ったときにサポートしてもらえるっていうのはとても幸運なことだよ。

 

*このインタビューは2022年5月23日に発売されたVI/NYL #007のために実施されました。

*写真は全てアーティストからの提供です。

 

■VI/NYL