#001-Balming Tiger

February 15, 2022

Balming Tiger

ソウルを拠点として活動。曲ごとにさまざまな表情を見せるオルタナティブ・K-POPバンド。世界的な影響力を示すアジアのシンボル=軟膏タイガーバームのような、広範にわたる文化を超えた影響力こそが彼らが結成時に目指したもの。バイリンガルなラップと既存のカテゴリーに囚われない幅広いビートメイクが魅力。

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ーあなたたちが住んでいるところは？

私たちは生まれた場所や幼い時に過ごしていた地域はそれぞれ違いますが、今はみんなソウルで過ごしています。ソウルは人口密度が高くて、韓国で文化的インフラが最も発達している。今はコロナ禍で夜は活動が制限されているけれど、元々ここは夜も眠らない、変化が激しく忙しい都市だと思います。

ーまわりの音楽シーンのトレンドは？

ミュージックシーンを英米ポップ市場で見るなら、80～90年代のレトロサウンドと、またそれを同時代のアーティストたちが再解釈しています。しかし今は、1週間の間にも数多くのトレンドが生まれては消滅していく。もしかすると、私たちが「今のトレンドは〇〇だ」と言うことはものすごく傲慢なことかもしれない。自分たちが接している情報は、まだまだたった一部分でしかないと感じます。なので、この質問に対する私たちの答えは、YouTubeのおすすめに出てくる音楽です！（笑）

ー音楽を始めたきっかけは？

各メンバーによって色々な理由があるけれど、リーダーの San Yawnの場合は、子供の時に死ぬのが怖かったという考えから始まって、とにかく何かを残したいと思い、それが偶然“音楽”だった。Unsinkable、Jan’Qui、Henson Hwangは、子供の頃にラップとヒップホップ文化に憧れて音楽を始め、wnjn はご両親から勧められて始めたり。それぞれ全然違う環境の中から音楽に触れて始めるようになったけど、まあ今は一緒に活動してるからね！

ー今どんな音楽を作っている？

私たちは、自分たちが作るコンテンツをまとめて「Alternative K-POP」と呼んでいます。現在、K-POP を特定ジャンルにまとめるのは難しい。これは時代の産物でもあり、巨大な文化になってきているから。この定義付けられないジャンルから、さらに進んで対案を考えるなら……私たちはどんな音楽をやっているのか、自らも知ろうとしていない。ただ面白いことを探し続けるだけです。

ー影響を受けた作品は？

『Channel Orange』（Frank Ocean）、『Crooked Rain, Crooked Rain』（Pavement）、映画『ジュラシック・パーク』、日本のアニメでは『新世紀エヴァンゲリオン』『ぼのぼの』『天元突破グレンラガン』…… などなど、もうたくさんありすぎて紹介しきれません！

ー制作のインスピレーション源は？

一人でいつも見ているもの、これまでに見たもの、聞いたもの、食べたもの、飲んだもの、出会った人、出会えなかった人々、あとは今日の何気ない会話を思い出したりしたときなど。きれいな心と体の状態で行う全ての行動。

ー影響を受けた人・メンターを教えてください。

Vadim Zelandというロシアの物理学者で作家です。人生で彼が書いた本に影響を強く受けました。アーティストでありプロデューサーのDamon Albarnは、実験できる果敢さと音楽的才能を持っているし、坂本龍一は、音楽以外でも学ぶことがとても多い方。などなど多くの答えがあるけど、ほとんどのメンバーが思うメンターは、良い影響を与える周辺の人々。もちろん、Balming Tigerのメンバーそれぞれでもありますね。

ー気になっている社会問題は？

タリバンのアフガニスタン占領、人種差別、ジェンダー間の葛藤、新型コロナウイルス。

ー幼い頃から変わらない自分の性格は？

怠け者（San Yawn）、内向的（wnjn）、散漫（Mudd the Student）、優柔不断（Jan’Qu）、あまのじゃく（Henson Hwang）、ノーとよく言えない（Abyss）。こうしてみると最高の組み合わせですね。