Cosmo's Midnight
双子の兄弟、CosmoとPatrick Lineyによって結成されたオーストラリアはシドニーのエレクトロニックミュージック・デュオ。2013年のデビュー以来、心地良いメロディとダンサブルなエレクトロニカサウンドで、地元オーストラリアではすでに絶大な人気を誇っており、昨年はプロデューサーとしてBTSの楽曲にも参加。
ーあなたが住んでいるところは?
オーストラリアのシドニー。オーストラリアの他の場所には住めないと思っています。シドニーのほとんどは港湾都市で、ビーチや内陸部の砂漠エリアの田舎、熱帯雨林、国立公園など、素敵なところがたくさんある。多文化社会だから素晴らしい料理を楽しむこともできて、友人もほとんどシドニーにいます。旅行も大好きですが、ホームタウンに帰ってきて慣れ親しんだ空間に身を置けることに感謝しています。シドニーで屋内に閉じこもるのは良くないけど、残念ながら、ロックダウンのせいでずっと屋内に閉じこもっています。
ーまわりの音楽シーンのトレンドを教えてください。
知る限りではオーストラリアは相変わらずバンド好きの傾向があるけど、年々、EDMの中でもベースライン・ハウスや、ラップなどに広がりを見せています。今は、個人的に新旧さまざまなジャンルの音楽を聴いているので、他の人たちが何を聴いて楽しんでいるのかを言うのは難しいですね。
ー音楽を始めたきっかけは?
僕らは幼少期に楽器を習っていたんだけど、作曲を始めたのは中学生になってから。兄がラップトップを使って作曲を始めたので、兄の影響で興味を持ちました。色々と試行錯誤して自分たちのスタイルやサウンドが出来上がって今の形になったんです。
ー制作のインスピレーション源は何ですか?
作曲の際には、さまざまな場所を旅することでインスピレーションを得ています。アルバム制作のためにいつも人里離れた場所に行くようにしていて、素敵な環境下では集中して制作できます。自然に囲まれて作曲すると、退屈しないし、仕事をしているという実感が湧くし、様々な世代の様々なジャンルの曲を聴くようにしていて。現代のポップスと比較しても、古い曲がとても新鮮で面白く聞こえることがあるし、最近の流行りをチェックするためにポップスもたくさん聴くようにしています。
ー影響を受けた人・メンターはいますか?
僕らの母がメンター。彼女はピアノを教えてくれたし、作曲家としても活躍している。このアイデアは強いと思うか? とか、アイデアをより魅力的にするために何かできることはないか? とか、よく曲のアドバイスを求めました。特に母は無調の音楽スタイルが好きで、よく複雑なアドバイスをしてくれたし、父が若い頃に聴いていたアルバムを常にメールで送ってくれるから、60~80 年代の音楽シーンに関する百科事典的な知識をいいとこ取りして、常に新しい音楽を聴くことができました。
ー気になっている社会問題は?
色々な問題がありすぎて、選ぶのは難しいけど、友人たちやオーストラリア全体がワクチンを接種して通常の生活に戻れるようにしたいです。
ー幼い頃から変わらない自分の性格は?
それほど変わっていないと思いたいな。色々なことを経験してきたけどまだとても守られている子供みたいだし、その感覚がまだ失われていないことが嬉しい。責任が重くなると単純なことや平凡なことへの探求心や喜びを失うことが多いけど、今のところ毎日の生活や日常をとても楽しんでいます。
ー注目しているファッションブランドはありますか?
古着やユニクロのベーシックなもの。P.A.M. というタトゥーアーティスト兼、服飾デザイナーのPeace On The Sun、PELVIS のデザインもとても好きです。一点物のクールなパターンのシャツを見つけるのが好きで、実は2019 年に大阪に行った時、すごくクールなKen Done のシャツを見つけました。
ー気になっている音楽ジャンルはありますか?
僕らはアンビエントが大好きで、練習のために自分達で曲を作ることもあります。お気に入りのコレクションとしては、Aphex Twinのアンビエント作品、クラシック・ハウス、ヒップホップ、ハイパー・ポップ、そして素晴らしいポップ・トラック全部。
ー音楽を聴くときに使う機器は?
作曲のためにあまり多くのセットアップは使っていなくて、Mac のラップトップ、Focusrite のサウンドカード、安くて持ち運びに便利なPreSonus のスピーカー、audio technicaのM50x ヘッドフォン、SHURE SM7B マイクロフォン、そして自分達の楽器。実際に音楽を作るのに必要なのはラップトップと適切なヘッドフォンだけですね。
ー自身以外のおすすめの曲を教えてください。
Pink Pantheressの「Just for Me」、 Tsebaの「Surrender」、Aphex Twinの「Alberto Balsalm」
ー今後の活動・リリース予定を教えてください。
「Titanic」をリリースしたばかりだけど、もっとリリースしたいです。
ー今はどんな音楽を作っていますか?
演奏していて楽しくて反応しやすい曲。ライブで楽器を使うようになってからは、曲を作るときにももっとジャムりたいと思うようになった。僕らの音楽は、ファンキーなリズムのベースラインとキャッチーなボーカルが中心で、それ以外の要素は曲によって異なります。
*写真は全てアーティストからの提供です。
掲載号:VI/NYL#002(2021年12月30日発売)
■VI/NYL