Mereba
ノースカロライナ出身、現在はロサンゼルスを中心に活動するオルタナティブR&Bシンガー。アトランタのインディーズシーンでの活動を経て、2018年に名門Interscope Recordsと契約。アトランタのヒップホップコレクティブ6lackやEARTHGANG、JIDなどを擁するSpillage Villageも所属、数々の客演も脚光を浴びる注目の才女。
ー音楽を始めたきっかけは？
私は物心が付く前から音楽が好きでした。両親は私が音楽好きであることに早くから気付いていて、母は私にStevie WonderやWhitney Houstonといったお気に入りのレコードを聴かせてくれました。生まれたときから好きだったそうなので、それが少しずつ私のキャリアに育っていったという感じですね。
ーアーティスト名の由来を教えてください。
Merebaは父方の祖父の名前です。
ー音楽活動以外の仕事はありますか？
はい！ 私はとても素晴らしい男の子のママなんです！
ーあなたを一番象徴する曲は何ですか？
私はこれまでに色んな音楽を作っていて、それぞれの曲は大きなパズルのピースのようなものなので、私を最も象徴する曲というのはありません。でも、「Stay Tru」という曲は、アーティストとしての私をよく表している一曲だと思います。この3分間で、私が持つ様々な部分や、私のベースにあるサウンドスタイルを伝えることができたような気がしています。
ー子供の頃から変わっていないものは何ですか？
好奇心旺盛なところ、人や自然が好きなところ、自己表現が好きなところ。また、頭の中で想像の世界に生きていること。本当にずっと変わらない性格ですね。
ー若い頃の自分に何かアドバイスができるとしたら？
“直感を信じて”。そうすれば、多くの時間と心痛を避けることができます。神様は、あなたの中にある、何が正しいか、何が間違っているかということを教えてくれる存在なのです。あなたの直感はあなたを助けるためにあり、あなたがそれに耳を傾けないときはいつでも、あなたは後悔することになります。
ー好きな言葉は何ですか？
“Nuance（ニュアンス）”です。 響きも意味も、大好きな言葉の一つですね。あまり目立ちすぎず、想像と謎のための余地を残す素晴らしい技術だと思っています。
ーイライラやストレスを解消するためにしていることはありますか？
まず私は、もともとあまりストレスを感じないようにしています。それが重要なことだと感じているので。十分な気遣いをしつつ、自分にとってあまり重要ではないものについては、あまり気にしない。私は人生の流れに身を任せ、神が導いてくれることを信じる傾向があります。
ー最近興味を持ったアーティストはいますか？
ウエストロンドンのオーガニックなソウル・シンガーCleo Solと、ナイジェリア出身のR&Bアーティスト／シンガー・ソングライター／レコード・プロデューサーのTemsですね。彼女たちは色んな意味で素晴らしいアーティストたちで、とても注目しています。
ーどのような環境で、どのような機材を使って音楽制作をしていますか？
ほとんどの曲は自宅でAbletonを使って、自分でプロデュースしてデモを書き始めます。とても個人的で、とても静かに始まりますね。その後、友人と一緒にスタジオで仕上げをしていきます。スタジオに入ったら、オープンで、ラウドで、みんなが音楽に特別な魔法をかけることができる、自宅とは逆のエネルギーで楽しい環境にしなければならないと思っていますね。
ー最新作について教えてください。
今年の5月に『AZEB』というEPをリリースしました。COVID-19の影響でほとんど隔離されて書いていたプロジェクトで……私がずっと経験していた感情の全てに触れています。世界が自分自身と戦争している間に恋に落ち、成長するために自分の時間を取り、2020年という暗闇の中に光を見出していくというリリックです。きっと皆さんにも何か共感できるところがあると思うので、ぜひ聴いてほしい一曲です。
ー今はどのような音楽を制作していますか？
今は、また詩を書くことに夢中になっています。メロディが浮かばなくなったら、詩で自分の気持ちを書くという原点に立ち返ります。ちょうど最近は、霧について書いていたところです。ロサンゼルスは本当に霧が多いんです。私はメタファーで考えることが多いのですが、霧の中を運転していると、私の人生の多くのチャプターを思い出します。そこでは、前がよく見えないのですが、ほんの一瞬の晴れ間が、私自身が自分のために意図した道を進んでいることを思い出させてくれるんです。
ー音楽を作るときに大切にしていることは何ですか？
楽しむこと！ 素直であること。そして、その過程で私がワクワクするようなものを作ること。
ー次の活動・リリース予定について教えてください。
2022年、ようやくツアーに復帰する予定です。コロナの隔離期間にとても長い時間が経って、その間に私の人生にはとても多くの変化があったので、きっと面白いことになると思います。ツアーの準備と新米ママとしてのバランスを取りながら、暇つぶしに息子の歌を歌ったりしています（笑）
*写真は全てアーティストからの提供です。
掲載号：VI/NYL#002（2021年12月30日発売）
■VI/NYL