#002-Yeager

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Yaeger

Instagram:@yaegerofficial

スウェーデンはストックホルム発のシンガー。ストックホルムのヒップなストリートやスケート・コレクティブなどのユースカルチャーの影響を受けつつも、明確な意図を持ってポップソングを生み出す。諸島のヴァクスホルムで育った彼女は2018年の大規模火災も目の当たりにし、自然災害や環境問題に対する意識も成熟している。

 

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ー音楽を始めたきっかけは?

自分自身にスポットライトを当てて、いつも歌ったりパフォーマンスをしたりしていた子供だったと思います。両親がよくパーティーを開催していた時には、シルバーのキラキラしたステレオでJett Rebelの『Hits For Kids』をかけて、即興で振り付けしたダンスを披露していました。いつもBritney SpearsChristina Aguileraに合わせて一緒に歌って。ポップスターへの憧れが私の原動力。その夢を追って、スポットライトの中に居られるよう、自分のための時間や機会を進んで作るようにしてきた結果、より大きな観衆の前で自分の曲を歌えるようになりました。

 

ー最近気になったアーティストは?

UKのプロデューサー/DJDuskusをよく聴いています。新鮮でチルなのに、ヘドバンしたくなるような感じもあるサウンドがいい。Starrahというアメリカのソングライター/アーティストも大ファンです。彼女がInstagramで「The NeverEnding Mixtape/終わらないミックステープ」と題して投稿する、未リリースのトラックの山は全部最高。伝わるかわからないですが、Low-KeyにしないようにすることでLow-Keyに見せているというか(笑)

 

 

ー趣味は何ですか?

数カ月前にOLYMPUS μ-ⅱを買ってから、フィルム写真を撮るのにとてもハマっています。絵を描くことや、ネイルが新しい趣味。ロッククライミングをしていたので爪はずっと短かったけど、ロンドンに引っ越してから一旦やめて。爪を褒められたことなんてなかったけど、今ではサロンでやったみたいと人に言われるまでになりました。あと、スノボは長年の趣味ですね。日本にスノボをしに行くのが夢。いい場所があると聞いたことがあります。

 

ー気になっている社会問題は?

スウェーデンのホームレス問題。クリスマスに帰省するつもりですが、私は暖かくて安全な家で家族とお祝いできるけど、ホームレスの人たちはどこへ行くんでしょうか? 先週母親に、ホームレスのための配給をする団体に連絡するのはどうかと相談したら、母も関心があるようでした。母の自慢のスープを作ったり、着ない服を持って行ったりしようかと考えています。必要な人に必要なものが直接届くようにしたい。

 

 

ーご自身を象徴する楽曲を教えてください。

I Dont Even Know What Im Saying」と「ocean」ですね。この2曲は私の、「繊細で風変わりな性格を受け入れて生きている」一面と、「明確な方向性を持っていいポップ曲を書く」というビジネス的な一面がよく現れているコンボです。人生を楽しむには二面性が必要だと思うのです。「ocean」はセルフリリースした1stシングル。当時18歳の私がこういう深い内容の歌詞を書いたのは、今思うととてもクール。これは音楽業界そのものと、その業界にいる人、特にトップに君臨する人が与える影響についての一曲です。世間はアーティストを神のようにあがめるので、自身に向けられる過剰な期待という海に私たちは溺れさせられてしまうんです。だから、私にとってこの世界はあくまで仕事であって、華やかなおとぎ話じゃないし、究極の幸せが見つかる場所でもないと肝に銘じる必要があった。「ocean」は私のそういう一面を象徴する楽曲です。その反対の一面についての曲に「I Dont Even Know What Im Saying」があります。自分が大好きなものを仕事にするという気持ちの曲。仕事の全てがうまくいっている時は最高だけど、そうじゃない時は最悪。でもなぜかいつも優先してしまう。コーラスの歌詞は、この業界の乱雑さに揉まれて弱った自分の姿そのものです。混沌の中で自分を見失ったように感じることがたくさんある。だけど、そういう時こそ自分という存在を認識できて、自分なりの焦点を見つけ出せられるんです。正直、これ以外の方法なら自分を見つけられなくてもいい。

 

ー最新作について教えてください。

オーストラリアのDJHayden Jamesとの制作。「Waiting For Nothing」というタイトルで、115日にリリースされました。初めてのダンス・EDM曲です。Punctualというデュオと一緒にここロンドンで書いたのですが、私らしいサウンドとソングライティングが全開です。Haydenがトラックに魔法をかけて、全部が上手くハマったんです。早くオーストラリアに行って彼らとライブをしたいですね。

 

ー今はどんな音楽を作っていますか?

最近失恋を経験して。今書いているのはそれについてです。その気持ちから離れたい時は、パーティやクラブに行ったり、新しい人に会ったりしています。全体的にエレクトロ全開のサウンドですが、アコースティックギターやベースなどの有機的な音との融合がとても気に入っています。真っ向的なポップ作品でもあり、アンビエント、インディー、エレクトロ・ポップの世界も垣間見えるような一曲です。

 

ー今後の活動・リリース予定を教えてください。

See You Dance」というシングルを、MVと一緒に来年1月半ばにリリースします。ストックホルムの路上で友人2人と映像を撮影しました。楽曲をリリースしたらステージでのパフォーマンスを再開する予定。

 

 

*写真は全てアーティストからの提供です。 

 

掲載号:VI/NYL#002(2021年12月30日発売)

  

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