Phebe Starr
Instagram:@phebestarr
オーストラリア・ドリゴ出身のオルタナティブポップシンガー/ソングライター。2021年10月にデビューアルバム『Heavy Metal Flower Petal』の発売が決定、同時に最新シングル「Air」のリリースを発表した。繊細で妖艶なサウンドと荒々しくも力強いボーカルラインのコントラストが多くの人を魅了する、オーストラリアインディーポップシーンの中心人物。
ー音楽を始めたきっかけは?
私は、オーストラリアの何もないところで育ちました。子供の頃はインターネットもなく、周りには何キロもお店がないので、自分たちで食べ物を育てていましたし、服は全て地元のチャリティーショップのお下がり。農場には家族と私だけで、動物もいたので、想像力に頼るしかなくて、森を探検したり、ケーキを作ったりする日々の中で、創作活動として文章を書いたり、音楽を作ったりしていました。古いカセットテープに自分の声を録音して、クラシック音楽に合わせて歌ったり演奏したり。録音したものを切ってアレンジしてどんな音になるのかを確認することにも夢中になった。その後、古いカシオのキーボードを買って、ラジオから流れてくるポップスを聴きながら独学で演奏を学びましたね。ピアノのおかげで音楽への愛が深まり、すぐに歌詞を書いて自分の曲を制作するようになったんです。学校卒業後、オーストラリアのシドニーに移り、自分の音楽をオンラインで公開するようになったという感じです。
ー自分の曲の中で最もおすすめの曲は?
「Air」。トラックのフィーリングと、ボーカルの制作方法が気に入っています。私は、言葉や意味よりも、音楽のフィーリングを重視する傾向があって、音楽は説明できる以上のことを伝える方法があると思います。この曲は、友人のAlister Wrightと一緒に数時間で書き上げ、制作しました。私にとって、痛みや心痛からの解放を象徴する曲です。親友から抱きしめられているような感覚ですね。
ー最新曲について教えてください。
デビューアルバム『Heavy Metal Flower Petal』が来年初めにリリースされる予定で、とても誇りに思っています。世界中の多くの才能ある友人やミュージシャンと一緒に作曲、プロデュースしました。人生の出来事に反応して心が硬くなっていくのを感じていた私が、再び柔らかく傷つきやすい心になりたいと思って書いた曲のコレクションとなっています。不幸な別れの後、これらの曲が私の心を生き生きとさせてくれたんです。
ー今どんな音楽を作っている?
私はいつも、まず美的感覚からインスピレーションを受け、頭の中に色や絵が浮かんできて、その感情を音楽に反映させようとします。柔らかさ、女性らしさ、モネの絵、たくさんの花や自然からインスピレーションを受けていて、家の中でお茶を飲みながら、窓から暖かい日差しが差し込み、埃の斑点がフィルターとなって入ってくるような音楽を作りたいと思っています。家は私のお気に入りの場所で、安心感があって心の窓からどこへでも逃げ出すことができるんです。私が心の中のその場所に駆け付ける音楽です。古い演劇音楽からもインスピレーションを受けています。最近では、Les Baxterや古いハリウッド映画のサウンドトラックを聴いていますね。ビンテージものが好きで、最近はディスコやプリンスもたくさん聴いていますが、現代の音楽はほとんど聴いていません。
ー音楽を作る上で大切にしていることは?
フィーリングです。音楽を作ることには説明できない何かがあり、その感覚を他の人にも与えられたらと思っています。
ー今後の活動・リリース予定を教えてください。
もうすぐ別のシングルをリリースして、2022年3月にアルバムをリリースする予定です。オーストラリアとアメリカでステージに立つ予定。COVIDはミュージシャンの計画も狂わせてしまったので、またツアーをするのが待ち遠しいですね。2020年には日本に行く予定だったので、近いうちに日本に行きたいです。
ー初めて買った曲やアルバムは何でしたか?
『Bjork-Greatest Hits』です。ビョークは、チャートの中のどのようなものとも違っていて、私の想像力をかき立てました。今でもそうですね。
ー音楽の仕事以外に、別の仕事をしていますか?
最近では、ビンテージのランプを修復・改造して販売しています。
ーもし音楽の仕事をしていなかったら何をしていたと思いますか?
洋服の仕立て屋さんになりたかったですね。自分の手で仕事をするのが好きなんです。
ーどのような環境で、どのような機材を使って音楽を作っていますか?
私は、Mellotronの大ファンです。美しいビンテージ楽器でユニークな音を出してくれるんです。日本製のナイロン弦のクラシックギターも大好きで10代の頃から弾いていますが、温かみがあって家庭的な雰囲気があります。
ー最近のベストニュースは何ですか?
友達に会いにアメリカに帰れること。
ー最近買ったもので、気に入っているものはありますか?
中古屋さんで買ったフルーツボウル。
ー最近興味があるものは?
盲導犬が訓練を受ける際に、訓練士がグループで映画館に連れて行き、映画の中での座り方や行動の仕方を教えてくれるそうです。世界のどこかで、いつでも映画館全体で犬が映画を見ていると思うと嬉しくなります。
ーコミュニケーションを取る上で大切にしていることは?
忍耐力、根気、そして笑うこと。
Photo credit: Robert Agostino
*このインタビューは2021年12月30日に発売されたVI/NYL #003のために実施されました。
*写真は全てアーティストからの提供です。
■VI/NYL