#004-Mercury Slim

#004-Mercury Slim

Mercury Slim

Instagram:@mercuryslim_

ニューメキシコ州サンタフェ出身、現在LA在住のシンガー・ソングライター。Jim MorrisonやKurt Cobain、Nina Simoneにインスパイアされたという楽曲たちは、朴訥としながらもポエティックにリリカルに歌詞を紡いでいる。憂いある切ない歌声は、オールドスクールでヴィンテージなUSロックサウンドを彷彿とさせる。

■ VI/NYLのご購入はこちらから ■ 

 

 

ーあなたが住んでいるところについて教えてください。

カリフォルニアのロサンゼルスに住んでいます。天気の良い日でも、ホームレスを犯罪者扱いする警察内ギャングは人々に嫌がらせしたり、殺人したり、残虐行為をしているから、そんなにクールな街じゃないですね。

 

ーまわりの音楽シーンのトレンドは?

何が流行っているか重要視したことはないけど、LAはアメリカの音楽の中心地、あらゆるものがあります。中でも僕が好きなのは、素晴らしいジャズ・シーンとDIYパンク・シーンがLAにあることですね。

 

ー音楽を始めたきっかけは?

物心ついたときから何かしらの曲やビートに魅せられてきました。小学6年生のときにバンドの先生が「MISSION: IMPOSSIBLE」という曲をカバーするから誰かドラムを叩いてくれないかと言ったんです。その話に飛びついて、(ドラムの叩き方を知らないのに)叩けると答えて。ラッキーなことに父はドラマーで、家に帰ってすぐに叩き方を教えてくれるよう頼みました。それから数週間、一生懸命練習したよ。コンサートでは大失敗してしまったけど、ありがたいことに、これがきっかけでドラムへの情熱に火がついて、バンドをやるようになり、その後、曲作りをするようになったんです。

 

ー制作のインスピレーション源は何ですか?

どんなものからでもインスピレーションを描ける、どんなものからでもインスピレーションを得られる可能性を常に残しておきたい。他人の立場に立って物事を考えることができる。それはとても大事なこと。そして、イライラするようなことも転じて良いきっかけになる。

 

 

ー影響を受けた人・メンターはいますか?

音楽に関しては、やはり父でしょうね。父は音楽とは自分の思い描くハーモニーを生み出すため、感じて、本気で向き合わなければならないものだと教えてくれました。教会のバンドでドラムを叩いていた短い期間にも数多くのことを学びました。あちこちに先生はいたけど、ほとんどの場合は独学で学んできましたね。

 

ー気になっている社会問題は?

たくさんありますよ。アメリカの植民地主義、帝国主義、そして資本主義全般によって行われた不正がたくさんあります。ミネソタ州に建設されているLine 3 パイプラインは、アニシナベ族の条約に直で違反していて、彼らの食料、水、生活様式を脅かしているし、労働者のための「マンキャンプ」という形で、先住民族女性の失踪を助長することが証明されている。また、パイプラインを建設しているエンブリッジ社は、地元警察に200万ドルを支払い、Line 3 パイプラインの水を守る活動家を逮捕したり、嫌がらせをしたり、残忍な行為をさせていたことが判明している。もうひとつは、ファシストのブラジル国家が現在行っている先住民の土地の奪い合いで、アグリビジネスやブラジル国家と結びついた先住民の指導者や人々の殺害。これはさらに、アマゾン・フォレストの生態系破壊につながり、先住民の土地が民間企業に奪われ、何千年もの間、その土地と共生してきた先住民が追い出されることになるのです。

 

ー幼い頃から変わらない自分の性格は?

私は、子供の目線を通して物事を見る能力を保っているように感じています。西洋の教育では、批判的な思想ではなく優れた消費者になるように人々を育てる「教育」の方法によって、全力で思想排除しようとしている。インナーチャイルドは今でも私のそばにいて、曲作りのプロセスに深く関わっています。

 

ー注目しているファッションブランドはありますか?

特にはないけど、Kha Povi herbalsというハーバル・オーガニック・ビーガンのバス用品を作っているブランドが好き。サステナブルな方法で生産されているお気に入りのショップ。

 

ー気になっている音楽ジャンルは?

その時の気分に応じて色々と聴き分けていて、ローファイ・インディー・ロック、オルタナ・カントリー、インディー・フォークなどをよく聴くけど、最近はアフリカン・ジャズや60年代のソウル・ゴスペルにも興味がありますね。

 

ーおすすめの曲を教えてください。

1つ目は、St..Pantherの「These days」。この頃のSt..Pantherは、曲全体がとてもスイング感のあるバイブになっているんだ。歌詞は、時の流れを反映しながらも、とてもアップリフティングな内容になってるんだ。

2つ目は「Faded - El Michels affair meets Liam bailey」このトラックは、ソウルフルなインパクトが頭をまとわりついて、君をムードの川に連れて行くよ。久しぶりの、垣根を超えた最高のコラボレーション。

最後はCountryの「Goodmorning」で、以前から大好きなバンドの一つ。彼らの最新曲は、ノスタルジックで叙情詩的な旅であり、ドライブ感のあるギター・ベースとドラム、そして驚くべき音が施されている。

 

ー今後の活動・リリース予定を教えてください。

年内には何かをリリースする、今言えるのはそれだけですね。

 

ー今はどんな音楽を作っていますか?

自分が聴きたいと思う音楽。心の底から感動する音楽。

 

 

*このインタビューは2021年12月30日に発売されたVI/NYL #004のために実施されました。

*写真は全てアーティストからの提供です。

 

■VI/NYL