#005-Chuck Sutton

#005-Chuck Sutton

Chuck Sutton

Instagram:@chuck_sutton

アメリカ・ニュージャージー在住のアーティスト/プロデューサー。16歳の頃、SoundCloudにドロップした楽曲「4feebs」が注目を集める。ドレクセル大学に入学したが、独学で音楽を追求するため2019年に自主退学。同年にデビューアルバム『i know what i'm doing*』をリリースした。ジャンルレスでユニークな音作りが魅力。

 

 

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ー音楽を始めたきっかけは? 

初めて曲を作ったのは約10年前ぐらい。昔は、今のように音楽に惹かれることはなくて、リバースエンジニアリングが趣味でした。隣人のニックが初めてダブステップを見せてくれ、友人のダニーがそれに合わせてフリースタイルで踊る方法を教えてくれたのがきっかけで、エレクトロニック・ミュージックから得られる感覚に感動して、踊ることで音楽の細部まで感じられるようになったんです。今持っているアーティストやコンテンツ・クリエイターとしてのスキルは全て、高校2年生になる前に始めた趣味ですね。

 

ー自分の曲の中で最もおすすめの曲は?

僕の曲を初めて聴く方には、「Rosetta」と「All or Nothin」が一番のおすすめ。この2曲は同じコインの裏表のようなもので、簡単で楽しいボーカルとメロディーに、遊び心のあるプロダクションを組み合わせています。僕のディスコグラフィーは、R&B、インディー・エレクトロニック、ジャズ、IDM、ジャージー・クラブ、ハウス、ファンクなど、様々なジャンルのものがあって、耳に入ってくるもの全てから影響を受けています。

 

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ー最新曲について教えてください。

All or Nothin」は、日の目を見ることになるとは全く思ってなかった30秒の曲から始まったんです。自分の部屋に閉じこもり(パンデミック前)、友達に会えないことにいら立っていた僕は、Ableton Liveで音楽プログラムを始めて。たまに広告の音楽を頼まれることがあるんだけど、まだ一度も採用されたことがないから、冗談でエッジーなインディービートを作ってみたんです。ある日、車の後部座席でiPhoneを出して歌手のマネをして叫んでいて。悔しさを思い切り出すように、「歩け!」「しゃべれ!」と大声で。母にドアをノックされて「もう夜中の1時だよ」と教えてくれるまで(笑) ちなみに僕のインスタグラムを見てくれたことがある人はわかると思うけど、僕が着ているシャツは全て母がデザインしているんです(@patsuttondesigns)。それを作ってから何カ月か経っても、あの夜のことを思い出すことはなかったけど、出版チームから、Issa RaeHBOの番組「Insecure」で使う音楽を探していると聞いて、パートナーのケイティが、この時作っていた僕の完成させていない30秒の曲のことをすぐに思い出して説得してくれたので、それをチームに送ったんです。そしたら彼らがそれをとても気に入ってくれて、1週間で仕上げてほしいと言ってきました。HBOからの返事を待っている間に、監督のHassan@byhassan)とミュージックビデオを撮影するためにロサンゼルスに行って、あまりにも良い旅だったので、ここに引っ越すことを決め、Issa Raeのチームが私の曲をエピソードに使うことを知りました。数日後、私はテレビの生放送を見て、信じられないような気持ちで、自分の曲を楽しむことができました!

 

ー今どんな音楽を作っている?

インスピレーションの源としては、Monte BookerJazmine SullivanUnderscoresYebbaBickleSpotifyでおすすめされるランダムな曲たち。僕は70年代から00年代にかけてのブラックポップスやソウルミュージックで育って、Earth, Wind & FireからMissy Elliottまで、ほとんどの曲を聴きました。自分が育った音楽、自分が作る音楽、そして今聴いているアーティストを組み合わせたいと思っています。 

 

ー音楽を作る上で大切にしていることは?

僕はバランスを最も重要視しています。グルーヴが複雑であれば、シンプルなメロディにするし、言葉が簡単ならコードをもっと威圧的にしてみる。僕の曲は、どんなにカオスな曲でも、最初は気付かないような微妙なパターンや構造を持っていて、以前、同じダブステップの曲を何度も何度も踊って、一秒一秒を覚えるようにしていたのは、そういう部分があったからだと思います。それに、できるだけ多くの音をゼロから作り出さないと、曲を作ることができない。デジタルドラム、コード、メロディー、パーカッション、ボーカルなどを長年勉強してきたおかげで、どんな録音でも、自分が学んだ方法で何かに変えることができるようなった。僕は自分の声のサンプリングだけで、曲全体を作ったこともあるし、「Note To Self, I'm Dizzy」が良い例です。

 

ー今後の活動・リリース予定を教えてください。

いくつかの曲が完成していて、今は、さらにいくつかのミュージックビデオを作っている最中。シェアするのが待ち遠しいよ。音楽教育にも力を入れていて、チュートリアルや舞台裏のコンテンツを作るのが好き。それと、1月にはLAでアンダースコアのオープニングを務めることになっていて、とても光栄に思っています。

 

ーあなたにとって音楽とは何ですか?

僕の人生において、音楽は言葉を使うコミュニケーションであり、最も大切なもの。自分自身や仲間、そして自分を取り巻く世界の好きなものを、音楽を使って伝えていきたいと思っています。

 

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*このインタビューは2021年12月30日に発売されたVI/NYL #005のために実施されました。

*写真は全てアーティストからの提供です。

 

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