#008-Bella Boo

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ストックホルム出身のハウスプロデューサー/DJ。2017年に仏レーベルThird Try Recordsからリリースした「Music Playing EP」でデビュー。その後も地元ストックホルムのレーベルStudio Barnhusなどから多数発表。長年のDJ活動に裏打ちされたトラックの数々は、メロウでありながらクラブでの印象的な鳴りも意識したものとなっている。また、グラミー賞ノミネート経験者であるChordsこと Jens Resch Thomason とバンドCharlie Charlieを結成するなど活動は多岐にわたる。

 


ー音楽を始めたきっかけは?

幼い頃からクラシックピアノとチェロをやってて、10代でバンドを始めてギターを弾いて、その後しばらくは勉強と仕事って言える仕事をしようとしてたんだけど、音楽を避けられなかったんだよね(笑) 音楽は私の人生の中で大きな愛よ。

 

 

ーアーティスト名にまつわるエピソードを教えてください。

子供の頃、自分の絵にサインをしていた名前なんだけど、それを知らずに親友が付けてくれたの。

 

ー子供の頃から変わっていないことは何ですか?

花の匂いを嗅ぐのが好きな、『牡牛のフェルディナンド』のまま。花に夢中なの。

 

出身地ストックホルムの好きなところは?

新鮮な空気ときれいな水、街中で泳げるところ。夏は緑がいっぱいで大好き。いい香りがするの!

 

ー初めて聴くリスナーにおすすめの曲は?

ファーストアルバムに入ってる「Stars」だと思う。天蓋みたいな音に感じられて、そういうバイブスが気に入ってる。シンセサイザー1台とフィールドレコーディングだけで制作したの。どの作品でもできるだけ少ない数のトラックを使うように努力しているんだけど、このトラックはそれができたと思う。

 

ー影響を受けた音楽やアートは?

Jean-Michel Basquiatの“絵を描き始めてから、それを完成させる”というプロセスへのアプローチ。私は仕事を早くするのが好きで、あまり長い時間音楽と向き合わないの。レコードが好きな人にはちょっと難しいかもしれない。でも私は物事をゆっくり進めることの素晴らしさも学んでるよ。決してそういうのが好きではないんだけどね……。

 

ー音楽をやっていて良かったと思うことは何ですか?

フローが発生したとき、時間がなくなったとき、そして、自己構築的な思考が働く前の制作状態になったとき。誰も聴いていないかのように、ただ楽器や機械と戯れているとき。 深く瞑想するようで、作業中にそうなれたら最高。

 

ー最近興味を持ったアーティストはいますか?

Bendik Giske! 彼はノルウェー出身のサックス奏者で、彼の演奏はすっごく生命力に溢れてる。ここしばらくで、最も新鮮で美しいサウンドを聴けたと思う。まずは「Cruising」という曲を聴いてみて。モジュラーシンセの音とクラシックの楽器の使い方は、ある意味、もう一人の好きなアーティスト、Nala Sinephro(※ロンドン拠点のアンビエント・ジャズミュージシャン)を思い起こしたわ。

 

ー最近ハマっていることは何ですか?

チェスに夢中で、最近初めてトーナメントをやったんだ。チェスをするとアドレナリンが出てるみたいな感じ!

 

ー最近買ったもので気に入っているものは?

Fender Rhodes Mark 1(ビンテージのエレクトリックピアノ)!!! 昨日買ったんだけど、ずっと夢だったんだ!!!! めっちゃ嬉しい! 私のRhodes時代が始まるぞ! あとは写真ではいているAcne Studiosのパンツも。この夏はこれをボロボロになるまではき続ける!

 

最近注目している社会問題はありますか?

パレスチナの自由化。

 

ー最新曲についてお聞かせください。

私の最新作はコラボレーションで、4月にリリースされたAxel Bomanのアルバムに収録されている曲。「Nowhere Good」という曲なんだけど、Axelは本当に天才で、他の人にはないものを持っていて、彼と一緒に仕事ができるのは本当にラッキーだと思う!

 

ー今はどんな音楽を作っていますか?

ダンスフロア向けのEPを制作中。ピークタイムにDJで流せるトラックをいくつか作るのが、ここ数年で最大のチャレンジ。アガる曲とかゆったりした曲を作るのは好きなんだけど、クラブで何が通用するのかを探るのが今やっていること。それが楽しい。ジャズトランペッターのNils Jansonとも一緒にスタジオに入ったことがあるの。スペース・エコー(※ローランドのテープエコーの別名)を使った彼のサウンドがすごくいい感じでこれから楽しみ。

 

音楽を作るときに大切にしていることは何ですか?

普段、社会生活がピークに達しているときはあまり音楽を作らない。遊びにエネルギーを注ぐと、音楽に込めるバイブスや感情があまり残らないような気がするから。孤独と楽しいシンセサイザー2台とコーヒーが重要かな。

 

ー今後の活動・リリース予定を教えてください。

今年の夏には、ベルリンのレーベルKeinemusikにリミックス、それとミュンヘンのレーベルPublic Possessionの「Chill Pill」というコンピレーションのトラックをリリースする予定です。頭の片隅にはいつもソロのセカンドアルバムのことがあるし、もちろん自分のバンドCharlie Charlieでのセカンドアルバムのこともあるしね。もしまだ聴いていなかったら、あなたは絶対損をしていると思うわ(笑)

 

 

PHOTOGRAPHY : JOSEF FORSELIUS
 HAIR & MAKEUP : FRANCISCA SAVEEDRA

*このインタビューは2022年8月10日に発売されたVI/NYL #008のために実施されました。

*写真は全てアーティストからの提供です。