#008-nimbustwokay

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Instagram: @nimbustwokay

1999年生まれ、カナダ・モントリオール出身のDJ/プロデューサー。アンビエントシンセと印象的な重低音をブレンドしたエモーショナルでダーキッシュな作風が特徴。14歳の頃、両親が購入したパソコンの中の作曲ソフトを用いて簡単な音作りをし始め、周囲の友達と自然な流れで音楽制作にのめり込む。2017年頃からnimbustwokayという名義でSoundcloud上に楽曲をドロップするようになり、その後もコンスタントに作品を発表。2022年、これまでのシングル曲4曲を含む全9曲からなる自身初のインストアルバム『wabi sabi』を配信リリースした。

 


音楽を始めたきっかけは?

子供の頃はギターを弾いてたけど、実際に音楽を作るようになったのは14歳の時、両親のコンピューターで。ちょうどMacを買ったばっかりでGarageBandをいじってた。数カ月後、友達が自宅のパソコンで作曲ソフトのAbleton Liveをクラッキングしたのがきっかけになって本格的に始めたんだ。当時はClams Casinoに夢中で、Imogen Heapとかをあり得ないほど長く遅らせたり反響させたりして。その後、何人かと出会って、ライブをしたり、プロデュースをするようになったんだ。

 

ー初めて聴くリスナーにおすすめの曲は?

ファーストシングル「biutiful」は間違いなくおすすめ。ソロとしての僕の全てを集約していると思う。

 

ー最新曲について教えてください。

6月のアルバム前にリミックスEPを出したところ。「biutiful」「something real」「mono no aware」「wabi sabi」の4枚のシングルをすでにリリースしていて友達何人かがリミックスしてくれた。みんなそれぞれ、The Holyが「biutiful」のテクノバージョン、Hockitayが「mono no aware」のブレイクビーツ・アンビエントバージョン、Dj Smokeyが「wabi sabi」のドラムンベースバージョンを担当してくれたんだ。「biutiful」のストリングスバージョンも作った。それぞれのバージョンで演奏したことで音楽の解釈の仕方を見られたのは本当にクールな出来事だったよ。

 

ー影響を受けた音楽やアートは?

映画が好きでたくさん観るんだけど、曲作りでもよく参考にするよ。「biutiful」はメキシコの映画監督Alejandro González Iñárrituの作品『BIUTIFUL』から直接的に影響を受けたんだ。あとJohnny GreenwoodがPaul Thomas Andersonのために作った曲がとても気に入っている。どちらかというと、他の人の音楽をたくさん聴くことでインスパイアされることが多いよ。Burial、Four Tet、Shlohmoの作品などが好き。

 

ー今どんな音楽を作っていますか?

アルバムのマスタリングが終わったところで6月上旬にリリース予定。あとはPerfect StrangersとBuvardと一緒に初めてのMVを共同監督しているんだけど、これがすごく楽しくて、今のところ驚くほど問題なく進んでいるよ。今デモを作ってるんだけど、グリッチでオタクっぽいハイパーポップサウンドのエレクトロニカで、ギターとカニエ風のリ・アンプされたボーカルサンプルが入ってる。でもDJとレコードのプロデュースが忙しくて完成させることができないんだ。6月にリリースするプロジェクト「wabi sabi」の方向性は、オーガニックで森のような音楽だと思っているよ。全てがアナログサウンドのような質感。だから新しいデモでは、フルデジタルで8ビットのダブステップ的なものにすることで、そこから離れようとしているんだ。UKガラージにイートベルを合わせたような、非文脈的なトラップ・サンプルを使いながら、コンピューターが自己表現しているような感じにしたい。まだ初期段階だからあまり多くを語りたくないかな。

 

ー音楽を作る上で大切にしていることは?

2年前、「wabi sabi」のデモを作り始めたのは、自分の好みだけをとことん追求した楽曲を作ろうと思ったから。しばらくは他の人のプロデュースをしていたけど、それはクリエイティブな決定のときに自分が最後の言葉を持てないような痛みがあった。このプロジェクトは文字通り、自分一人でヘッドホンで聴くために作ろうと思っていたんだけど、Société Holographiqueというチームに出会って、リリース、流通、マーケティング、シングルの選択などの面でたくさん助けてもらった。だからリリースすることにしたんだ。でも本当に言いたいのは、本物であることが重要だということ。ありきたりな言葉だけど、できる限り新しい音に挑戦にして自分のサウンドを限界まで押し上げることが大切だね。

 

ー今後の活動・リリース予定は?

すごく長い間取り組んできたから「wabi sabi」の発売が待ち遠しいよ。色々な媒体や人を巻き込んだ体験にしたかったんだ。最初は、友人のBuvardが作ってくれたアートワークとビジュアライザーで、AIを使って制作過程をランダムにすることから始めて、街並みや水中などの風景を撮影し、それをAIがデジタル編集してグリッチな質感のアートワークに仕上げた。「wabi sabi」(リミックス)のビジュアルも同じようなプロセスで作った。ほぼ全曲のリリースパーティーも同時にしたんだけど、1曲はコロナの影響でキャンセルせざるを得なかった。モントリオールには店が閉まる時間帯に集まれるスポットがそんなになくて、エレクトロニックミュージックのシーンも多様だけどロンドンやベルリンのようなウェアハウスレイヴがまだ足りないように感じるよ。ラストは本当に楽しくて汗だくで、天井に水が結露したり。あと、今年の夏には『Mural Festival』で映像によるライブパフォーマンスをする予定。

 

ーあなたにとって音楽とは何ですか?

僕にとっての音楽は、今となっては当たり前のように感じられるもので、毎日やらなければならないこと。驚くのは、どれだけ音楽制作に取り組んでも、常に新鮮で面白くて飽きないということ。

 

*このインタビューは2022年8月10日に発売されたVI/NYL #008のために実施されました。

*写真は全てアーティストからの提供です。