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〔Special Interview〕Silica Gelが語る「BIG VOID」と、成熟へ向かう現在地

〔Special Interview〕Silica Gelが語る「BIG VOID」と、成熟へ向かう現在地

  韓国の4人組バンド・Silica Gelが最新曲「BIG VOID」を携え、より深化したサウンドと向き合っている。鋭い感性と重層的な音像で、シーンの中で独自の位置を確立してきた彼らは、いま“調和”や“成熟”を軸に、新たな表現へと踏み出している最中だ。今回VI/NYLが行ったインタビューでは、個々の創作活動やバンド名の由来、幼少期の記憶まで語られ、次章へ向かう彼らの現在地が鮮明に浮かび上がる。 Silica Gel(@silicagel.official) 韓国・ソウル出身、Geonjay、Chunchu、Hanjoo、Woongheeからなる4人組バンド。所属レーベルCAM WITH USのもと、ロック、サイケデリック、オルタナティブ、エクスペリメンタルを自由に行き来し、鋭い感性と重層的な音像を軸に独自のサウンドを築いている。代表曲「NO PAIN」はその音楽性を象徴する一曲であり、最新曲「BIG VOID」では現在の方向性をより鮮明に提示。今年12月には、初となる単独での来日ツアー(大阪・22日/東京・23日)を開催。 ──音楽を始めたきっかけを教えてください。Chunchu 元々ピアノのレッスンに通っていたんですが、ある日突然、ヘビーメタル好きの両親の影響を受けて「ギターが弾きたい!」と思ったんです。 ──バンド名「Silica Gel」の由来は?Geonjay 大学のメディアアートの授業で、チーム名が必要になったのがきっかけです。みんなで話し合っても全く決まらなくて、「じゃあ30秒以内にバンド名を決めよう。決められなかったら全員アウトだ!」と冗談を言いながらガムの容器を机に投げたら、そこからシリカゲルの小袋がぽろっと落ちてきて。その瞬間、「もうSilica Gelでいいじゃん」と全員で決めました。 ──Silica Gelを最もよく表していると思う一曲は? Hanjoo 「Kyo181」がおすすめ。オルタナティブなプロダクションとミニマルな作曲が絶妙に溶け合った、満足度の高いトラックです。 ──12月11日に発売となった最新曲「BIG VOID」について教えてください。Chunchu 次のアルバムに向かう旅の中で、最も重要な位置にある曲だと思っています。今のSilica Gelがどこに向かっていて、何を見ているのかを一番はっきりと映し出してくれる存在なので、まずはぜひこの曲から聴いてほしい。 ──今、取り組んでいる音楽や、バンドとしての現在地点はどんなものですか?Hanjoo ここ数年は、以前よりも“調和”や“成熟”を強く意識しています。同じシンセの音でも、どれだけ奥行きやニュアンスを生み出せるかを考えながら、ドラムを含むあらゆる音の構造を、より綿密にレイヤーしていく。歌詞で扱うテーマを掘るのと同じくらい、サウンドの細部にこだわって、少し大人になったSilica Gelの感覚を形にしているところです。 ──曲作りで大切にしていることは?Geonjay 突き詰めると、やっぱり“自分たちが聴きたいもの”を作っているんだと思います。だからこそ、自分がこれまでの人生や活動の中で得てきた大事な洞察を、遠慮なく楽曲の中に取り込むことがすごく重要。 ──Silica Gelとしての活動以外に、それぞれ個人ではどんな活動をしていますか?Geonjay 自分はShirakami Woodsというチームで作詞・作曲・歌唱を担当しています。さらに、パーカッショントリオで即興演奏を行う『SETSETSET!』というプロジェクトにも携わっているよ。Chunchu 音楽以外の仕事はしていませんが、個人スタジオで他のミュージシャンのレコーディングやミックスを手がけることはあります。 Hanjoo Silica Gelに関連するものとして、「BIG VOID」ではグラフィックスコアやアートワークの制作を担当したよ。依頼を受けて文章を書くこともあります。Woonghee 本当はドラマ制作にも挑戦したいんですが、いつも時間が足りなくて……。...

#019-87dance

#019-87dance

韓国・弘大のインディシーンを拠点に活動する、Betheblue(Vo/Gt)、Park Seongho(Gt)、Lee Jungyeol(Dr)、Choi Junyoung(Ba)からなるバンド。ベッドルームポップ、ローファイ、ネオソウルなどを通過し、インディロックの心地いい要素をふんだんに取り入れたサウンドで、じわじわとシーンでの存在感を確立。最新EP『Youth Heritage』では、オールディーズなロックに挑戦し新たな魅力を生み出した。全編英詞なので、耳馴染みの良さも魅力。日本での活躍も期待される注目株。

#019-Shabaka

#019-Shabaka

Shabakaは1984年、ロンドン生まれのマルチプレイヤー。その独特でパワフルなプレイから“UKジャズ界のキング”と評される。サックス/クラリネット奏者としてSons Of Kemet、Shabaka And The Ancestors、The Comet Is Comingの3つのプロジェクトを牽引。プロジェクトを跨いで『JazzFM』や『MOBO』の“Jazz Act Of The year”などの数々の賞を受賞している。最新作『美の恵み』ではフルート/クラリネット/尺八を演奏、客演としてCarlos Niño、André 3000、Floating Pointsなど豪華アーティストが集結している。

#010 - RYUJI IMAICHI

#010 - RYUJI IMAICHI

三代目 J SOUL BROTHERS のボーカリストとして、12 年もの間、国民的グループを牽引してきた今市隆二。2018 年にソロプロジェクトを始動してからは、さらに加速度的に、そ の足を止めることなく最前線を走り続けている。今年、ソロツアー『RYUJI IMAICHI CONCEPT LIVE 2022 “RILY'S NIGHT”』を開催し、11月には4thアルバム『GOOD OLD FUTURE』をリリース。次なる領域展開をイメージし、その先にある未来を見つめる彼の眼光は、混沌とした現代の闇を照らすが如く、強く深く光り輝き続けている。

#010-Awich

#010-Awich

誰だって見えない未来が怖くて、希望や絶望を繰り返して生きてきた。今やガールズエンパワメントの象徴として、クイーンとしてシーンに君臨するAwichだってそうだ。たくさんの闇を乗り越え、ここまで辿り着いた今思うこと。そして、その先へ。クイーンのクイーンたる所以を、まずは軽やかに、徐々に精神性やその信念の根底を垣間見ていくインタビュー。Awich、2022年の現在地点をここに残します。  

#009-Superorganism

#009-Superorganism

2017年にインターネットを介して出会ったOrono、Harry、Tucan、B、Soulの5人からなる多国籍インディーポップバンド。デビューシングル「Something for Your M.I.N.D.」を、Frank OceanやVampire WeekendのEzra Koenigがラジオでプレイしたことで一躍話題に。2018年には宇多田ヒカル本人たっての希望で「パクチーの唄」をリワーク、2019年には星野源とのコラボ曲「Same Thing」を発表するなど、世界中の音楽家からラブコールを受ける。今夏、待望のセカンドアルバム『World Wide Pop』をリリース。