snow ellet
Instagram:@snowellet
シカゴ拠点のシンガー・ソングライター。10代の頃、SoundCloudに自身初楽曲「suburban indie rock star」をドロップし、snow ellet名義での活動を開始。“等身大の視点”を投影した率直な歌詞とインディー・ロック、ポップ・パンクを融合したハイブリットな音楽センスでエモポップ的な共感を得る。DIYな音作りも魅力。
ー制作のインスピレーションはどこから?
人々がよく言うような、クールな人と会ったり、刺激的な経験をしたり、元気な町に住んだり……そんな環境にいないのは事実です。聞いたことがある人は少ないと思いますが、イリノイ州のレイク・ヴィラというところに住んでいるので。僕にとって音楽を作ることは習慣みたいなものですね。仕事帰りのストレス発散、リラックスの手段、メンタルを整えるというのが正しい表現かもしれません。そこから95%くらいのインスピレーションが生まれています。それ以外はいつも音楽を聴く時に、誰かの曲を聴いて「あ、この2秒くらいのビートがいいね」と思う時にはすぐにメモし、そのヒントに基づいて、自分なりの想像を膨らませて曲を作ることも多いです。
ー今はどんな音楽を作っていますか?
今まで通りのスタイルでやっていくか、新たな方向性を探るのか、ちょうど今悩んでいます。でもやはり常に変化し続けるアーティストの方が好きで、僕も自分の限界を突破し、音楽において新しいクリエイティブに挑戦したいと思っています。今まではずっと好きなバンドや音楽のみから要素とヒントを取り入れてきましたが、これからはもっと違うジャンル、ブルックリンのインディー・ロックとかもたくさん聴くつもりで、今までのアルバムと異なる作品を作っていきたいです。
ー最近はどんな音楽を聴いていますか?
「GIRL K」というシカゴのバンドが好きです。リードボーカルのKathyは長年の友人で、ちょうど最近、自分と同じタイミングでレーベルと契約したインディー・ロックのバンドです。最近は80年代のニューウェーブにインスパイアされたシングルをリリースしたりもしてます。
ー周りの音楽シーンのトレンドは?
レイク・ヴィラという地元では何もないですが(笑)、シカゴでは日々新たなトレンドが生まれていますね。知っている限り、スクリーモが流行っていたり、90年代のインディー・ロックが復活したり、最近では70年代のロックリバイバルもすごくて、シカゴベースのPost AnimalやROOKIEは代表的でしょう。彼らはEAGLESにインスパイアされ、オルガンの音も入れたりして最近では人気ですね。それ以外にヒップホップも。
ー音楽を始めたきっかけは?
小さい頃から色んな音楽を聴き、「どうやってこの音を作ったのか」がすごく不思議で、ギターの原理とか、曲を作るプロセスとか、全てが自分にとってミステリーでした。それで9歳の頃に、パソコンでレコーディングのソフトウェアを入手し、変なビートから作り始めました。
ー影響を受けた人・メンターは?
みんながよく成功している誰々をリスペクトすると言うかもしれませんが、僕は周りでうまくやっていけるミュージシャンの人たちをリスペクトしています。メンターという誰か一人の存在がいるわけではなく、全ては自分、またはいつも助けてくれている人たちのおかげで今があるので、自分で頑張ってきたと思います。
ー最近気になっている社会問題は?
普段から色んな社会問題を意識しようとしていますが、政治の観点ではあんまり先進的な意見を持っていません。2021年は本当に色んな大変なことが次々と起こる中、ジョージ・フロイドの事件からさらに注目が高まるマイノリティーへの差別問題とか、それこそLGBTQ問題についても、いつも関心を持っています。自分もLGBTQの一員として、ツイッターでは特にLGBTQ関連の話題をフォローしています。
ー幼い頃から変わらない自分の性格は?
自分のことを話すのが得意ではないのですが、思いやりのあるところと誠実なところですかね。あと、アイスクリームの好きな味はずっと変わりません。基本的に今は3歳くらいの時の食習慣とあんまり変わらないかもしれません(笑)。
ー今後の活動・リリース予定は?
年末か2022年年始の公開予定ですが、最近のEPに2曲を加え再リリースし、全7曲のアルバムになっています。曲は全て3分以内の短い曲ですが、今年の冬には新たなアルバムができたらと思っています。
高校時代の寒い秋の夜を思い出す曲。アメリカ中西部郊外のトウモロコシ畑に囲まれている感覚で、ノスタルジックで美しく憂鬱な気持ちがいっぱいな曲で、最近はその感覚を取り戻すために聴いています。
「Follow」DIIV
記憶が蘇る究極な曲です。青春時代の全てをこの一曲に詰め込んだような、記憶と気持ちに包まれる雰囲気が好きで、このバンドも長年好きでした。まさに今のムードです。
「Crush」Day Wave
この曲で魂が震えました。本当に美し過ぎて、焼え尽きて疲れ果てた失恋の気持ちを完璧に表現している。この曲で泣いたことがあります!
*写真は全てアーティストからの提供です。
掲載号:VI/NYL#001(2021年9月28日発売)
■VI/NYL