#006-maxime.

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Instagram:@maximemusic

 

カナダ・オタワ出身、ベッドルームポップ界のニューカマー。リリース、パブリッシング、プロデュース、エンジニアリングを全てセルフでこなす。2014年頃からSoundCloud上でオリジナル楽曲をドロップし始め、2019年に1stアルバム『whatevernowiscalled』をリリース。全18曲から成る本アルバムは世界中で1000万回以上のストリームを記録。最新曲「rubber checks」が2022年3月末に発表されたばかり。

 

   


 

ー音楽との出会いと、制作を始めたきっかけは?

音楽が好きだと気付いた最初の記憶は、家族でモントリオールへ旅行した際に、その道中で父が自分で作ったミックスCDを聴いた時。そのCDが、今の僕の音楽の趣向を形成しているんだ。Soft Cellの「Tainted Love」、Cassiusの「Toop Toop」、The Clashの「Guns of Brixton」なんかが印象的だったけど、音楽制作を始めようと思ったきっかけになったのは、Deadmau5の「Strobe」という曲。Deadmau5がFL Studio(※音楽製作ソフト)を使っていると知って僕もダウンロードしてみたらすぐにハマった。僕は子供の頃にギターを習っていて、当時の先生にインディーやオルタナティブバンドを教えてもらったこともきっかけの一つだと思う。何年もインストのEDMを作っていたけど、大学の途中であまり好きじゃなくなってしまって、その後はギターで作曲して自分で歌うようになったんだ。そうしてるうちに、今作っているような音楽が好きになったっていう感じ。かなり時間をかけて、音楽と恋に落ちたような感覚を持っているよ。

 

ー自分の曲の中でおすすめの曲は?

どうしても選ばなきゃいけないとしたら、「telephone wires」は外せない。サウンド的にも面白いし、歌詞にも自信があるし、楽しい雰囲気も好き。この曲は、僕のキャリアと人生で新たな章の始まりを告げる曲。でもどうやってあの曲を思いついたのか、今となっては全くわからない。そこも含めて好きなんだけどね。

 

ー最新作について聞かせてください。

最新プロジェクト「rubber checks」は、自分自身が最高に楽しんで作った5曲入りのEP。このリードシングルの歌詞の中には私生活がたくさん散りばめられているんだけど、自分の人生のはけ口や音楽的な日記にしようと思って書いたわけじゃなくて、ただ楽しくて自分がクールだと思うものを作ろうとしてできた曲。収録曲の「u and everyone u know!」は、アルコールで人生をなんとかしようというシリアスな内容で、モッシュできるような曲にしたくて、ああいう雰囲気になったんだ。

 

ー今はどんなサウンドを作っていますか?

最近はベッドルームポップを作っているんだ。僕はアコースティックギターとトランペットが入った曲を作ることもあれば、ピッチの高いボーカルとハイパーポップにインスパイアされた曲を作ることもある。音楽をジャンル分けするのは便利だけど、実際は難しいと思う。最近好きでよく聴いているのは、underscores、Teezo Touchdown、Francobollo、PinkPantheress、James Ivyといったアーティストの音楽と、ジャズや古い曲かな。

 

ー音楽を作る上で大切にしていることは?

自分が心から楽しくて面白いと思える音楽であること。自分が聴きたいと思うものを作りたいし、自分がやりたくないことを無理矢理やるのは得意じゃない。僕が音楽を作るためにいるのなら、何回も繰り返し聴きたくなるようなものを作っていきたい。

 

ー音楽をやっていてよかったと思うことは何ですか?

13歳の僕が考えていたことを、23歳の僕がやれているということ。例えこの音楽プロジェクトが上手くいかなかったとしても、13歳の僕は今の僕を誇りに思うはず。音楽制作に挑戦しないまま人生を終えることはできなかったと思う。

 

ー影響を受けた音楽やアートは?

Cage The Elephant。超クールなバンド。あとRadiohead。

 

ー影響を受けた人物は?

今までお世話になった3人のギターの先生。彼らはそれぞれ、僕にたくさんの新しい音楽を紹介してくれたし、僕が音楽を作ることに対して全力でサポートをしてくれた。僕がまだDeep Purpleの「Smoke On The Water」を弾くのがやっとだった頃に、音楽に対して純粋に興奮させてくれた人たちがいたことは本当にラッキーだった。3人とも、自分がロックスターになったような気分にさせてくれる人たちなんだ。

 

ー昔の自分に何かアドバイスがあるとしたら?

悩むな、何も変わらない。もっと自分をさらけ出して、人に会って連絡を取り合うこと。あとセラピーに行くこと。

 

ーあなたにとって音楽とは何ですか?

音楽は逃避であり、セラピーであり、楽しみなことであって、決して仕事じゃない。作曲しているときは、食事することさえ忘れてしまうほどに没頭してしまう。これは僕にとってすごくいいことなんだ。フルタイムで音楽に関わったら、それが“仕事”になってしまわないか心配になったけど、実際そんなことはなかった。もっと広い意味で言えば、音楽はアイデアや色んな話を共有するための、最もクールな方法だと思ってるよ。

 

ー今後の活動・リリース予定を教えてください。

もうすぐ『mile end』というタイトルの5曲入りEPをリリースする予定。それから、素晴らしい人たちと一緒に小さなツアーバンドを組んだので、これから最高のライブを届られると思うよ。

 

 

*このインタビューは2022年5月14日に発売されたVI/NYL #006のために実施されました。

*写真は全てアーティストからの提供です。

 

■VI/NYL