ボーカルJean、DaCostaとプロデューサーghettoblastermanによるLA発トリオ。友人同士で2014年に結成。当初はラップ楽曲がメインだったが、他ジャンルの作品に影響を受け、現在はファンク、ソウル、ヒップホップ、ロック、ブルースなどを独自にミックスした音楽スタイルに。バンド名は、自分たちの音楽性に新たなインスピレーションを与えてくれる“年長者”にちなんだ意味を持ち、クラシカルな音楽へのリスペクトと「良いものは取り入れる」という柔軟な姿勢が表れている。
ー音楽を始めたきっかけは?
DaCosta 音楽は、僕の人生にとって常に重要なパーツでした。ラジオから聞こえてくるお気に入りの曲を一日中口ずさんだり、子供の頃は夜眠る前にも歌ったりしていた記憶があります。親から聞いた話によると、母が僕を妊娠していた時、お腹にヘッドホンをつけて、両親の好きな曲をよく流していたらしいんです。僕が音楽を好きになったのはその頃からだったんだと、両親によく言われてますね。
ーアーティスト名にまつわるストーリーを教えてください。
ghettoblasterman アーティスト名を決めるやりとりをグループチャットでしている時、僕がアイデアを引き出すために冗談で“Grandpa Gang”と言ってみたら、Jeanがそれにピンときたみたいで……(笑) 最終的に彼が“Your Grandparents”を提案してこの名前になりました。
ー初めて聴くリスナーにおすすめの曲は?
DaCosta 今、一番おすすめしたいのは「Red Room」。僕たちの作品の中で特にクリエイティビティが豊かな楽曲の一つで、バンドとしての表現力の幅を広げてくれた曲だと思います。
ghettoblasterman 僕たちの曲はそれぞれ違う魅力を持っているので、個人的にはとても難しい質問ですね……! でも、その上であえて僕が選ぶとしたら「Sunlight」か「Intoxicated」かな。どちらも、一曲の中に様々なスタイルがミックスされていることがわかるはず。
ーあなたが影響を受けた音楽やアートは?
ghettoblasterman グループのためにグラフィックデザインやビジュアルアートを制作した経験が、僕の音楽制作のアプローチにも間違いなく影響を与えてくれていますね。僕は、元々音楽というものをとても視覚的に捉えていて、聞いた音にはまずイメージや色を組み合わせていたんだけど、ビジュアルアートがその逆の発想に挑戦するきっかけになってくれて。「この音はどのように見えるのか」ではなく「この視覚表現によってどのような音が聞こえてくるのか」という逆の視点で自分自身を問うことができるようになったのは大きな経験ですね。
ー最近気になっているアーティストは?
Jean Thee Sacred Soulsという素晴らしいバンドがいて、僕たち3人はみんな彼らのことが好きです。
ー今はどんな音楽を作っていますか?
ghettoblasterman 前作までは、どんなふうに音楽を作り、何についての曲を書くかということに対してとても慎重で、たくさんの時間を費やしていたんだけど、今はとにかく音楽を作り続けること、そしてその作品たちをより瞬時に世の中に発信するためにはどうすべきかを考えるのに集中しているよ。今回のアルバムでは、僕たちの自由な発想の赴くままに、ただひたすら音楽を楽しんで、グループとして別次元に辿り着きたいと思っています。
ー最新曲について教えてください。
Your Grandparents 最新シングルのタイトルは「Pootie Tang (G.T.K.Y)」。The MaríasのJosh Conwayと一緒にとても楽しいコラボレーションができて、美しく、ノスタルジックな作品に仕上がっています。僕たちは、全ての音楽アーティストのゴールは“これから何十年も家庭で流れるようなものを作ること”だと思っていて、今回のこの曲はまさにそんな作品になっていると思います。
ー音楽を作る上で大切にしていることは?
DaCosta 一番大切なのは、自分の頭の中の空間をイメージすること。自分のクリエイティブな判断を厳しく批判し過ぎることなく、想像力を自由に発揮できるような精神状態かどうかを常に確認しています。
ghettoblasterman フレッシュな環境に身を置き続けることかな。僕の場合は、新しいスタジオに行ったり、初めて会う人に出会う環境に身を置くとか、日常の中に変化をつけて気持ちを切り替えるのが好きです。それがセッションのエネルギーになり、結果的に楽曲に貢献すると思っていますね。
ーどのような環境と機材で音楽を作っていますか?
ghettoblasterman 普段は自宅のスタジオで作業しています。光と植物がたくさんあるということが、僕にとってとても重要なことで、自分のマインドセットに欠かせないもの。音作り的には、まずMaschine MK3でドラムを叩いてから、Hofner Violin Bassでベースラインを演奏することが多いですね。その後、MIDIキーボードを使ってコンピューターに移り、シンセの音やRhodesのピアノ(僕のお気に入りの楽器)を重ねていくのがいつものスタイル。シンセはProphet REV2とDX7Ⅱもよく使っていて、アイデアを重ねたり、新しいサウンドを思いつくヒントを得るのに使っています。
ー今後の活動・リリース予定を教えてください。
Your Grandparents 次のシングル「Woe / Living In Hell」のリリース準備中です。スローでソウルフルな曲なので、同じようなインパクトとフィーリングを持ったビジュアルを作りたいと思っているんだ!
*このインタビューは2022年8月10日に発売されたVI/NYL #008のために実施されました。
*写真は全てアーティストからの提供です。