1995年生まれ、アメリカ・ペンシルバニア州出身のアーティスト。幼い頃からクラシック音楽に触れて育ち、2016年からBlue Franklinとしての活動を開始。ポップ、エレクロト、ラップを自由自在に操り、そこから生み出されるキャッチーなサウンドが魅力。インディーズながら2019年にリリースした「Brat Boy」はSpotifyで65万回再生を突破。2022年に入ってからはすでに4つのシングル曲を発表しており、今後の活動に目が離せない。
ー音楽を始めたきっかけは?
最初に音楽を始めたのは、確か9歳か10歳くらいで、まだ子供でした。僕は様々な交響楽団でヴァイオリンやヴィオラを弾いて育ったので、音楽に接する機会はほとんどそれしかありませんでしたね。父はギリシャからの移民で、母はドイツからの移民の子なので、アメリカの大衆音楽が家で流れることはあまりなかったと思います。クラシック以外の音楽を聴くようになったのは大学に入ってから。元々、自分が評価するものは自分でやらないと気がすまないタイプなので、ほかのタイプの音楽を聴くようになったら、自分も作り始めないといけないと思うようになったんです。それが2016年にBlue Franklinが始まった理由ですね。
ーアーティスト名の由来を教えてください。
本名はPanagiotis Tsaklas。アメリカでは、僕のような伝統的なギリシャ語の名前はめずらしいと思います。だから僕は、一般的で普通だけど、クールに聞こえるアーティスト名を持ちたかったんです。特に理由はないのですが、ファーストネームはブルーにしたいとずっと思っていて、大学時代の授業帰りにフランクリン通りを歩いていた時、これならちゃんとしたラストネームになるなと思ったんです。この2つのアイデアの組み合わせで、Blue Frankilnという名前が誕生しました。これは偶然なのですが、アメリカの100ドル札は青色で、Benjamin Franklinの肖像画が描かれているので、ラッパー的なかっこよさも兼ね備えている最高の名前になりました。
ー子供の頃のことを教えてください。
最終的には、いい子だったと思います。尊敬され、成績もよく、趣味もたくさんあって……。人気者ではありませんでしたが、様々な集団に属する友人がたくさんいました。スケートボードで育ったので、子供時代の大部分の思い出はスケートボードですね。10代になると少し反抗的になりましたが、この年齢で反抗的でない人なんていませんよね(笑)
ー音楽の仕事以外に別の仕事をしていますか?
実は、 ある大物YouTuberのビデオ編集者なんです。彼のチャンネルには1000万人近い登録者がいて、僕は全てのビデオを編集する裏方です。
ー最近気になっているアーティストは?
最近はVerzacheが好きです。彼の音楽は本当にかっこいいし、声も素晴らしい。僕は17歳から21歳の頃パンクに夢中でしたが、Verzacheのスタイルは僕が好きだったパンクと、よりモダンなポップ、そしてヒップホップのサウンドがうまくブレンドされています。あとAmber Markもよく聴いていますね。彼女はとても滑らかでセクシーな声の持ち主です。
ー初めて聴くリスナーにおすすめの一曲は?
「Purple Hair Dye」がおすすめ。音楽制作の過程で一番好きなのは曲作りのプロセスなのですが、「Purple Hair Dye」は自分の曲の中で最もクレバーなライティングができたと思っています。それに、この曲には僕のお気に入りの歌詞のフレーズが入っています。誰もが楽しめるような、クールで心地よい雰囲気の曲です。
ー最新曲についてお聞かせください。
最新シングルは 「Sesame」という曲です。たまにポップソングを歌ったり書いたりするのは楽しいのですが、僕が知られるようになった曲のほとんどは、激しいビートの上に生意気なラップのボーカルを乗せたもの。この 「Sesame」は、それを完璧に表現しながらも、どこか新鮮さを感じさせる曲に仕上がっています。コンセプトは、クラブにいるときに時々感じる、あの感覚。パーティーの夜で少し混乱しながらも「僕は超ホットで無敵」みたいな感じで、かなりリアルだと思います。
ー今、どのような音楽を制作していますか?
最近はクラブミュージックやダンスミュージックが中心ですが、時々ポップスも作っています。クラブやダンスミュージックにポップスをミックスした音楽を、最近よく聴いているからかな。制作の着想源は、その時聴いている音楽。近年はストリーミングサービスのおかげで、ありとあらゆるジャンルの音楽に簡単にアクセスできるようになったので、当然ながら僕の好みはより多彩になり、常に変化しています。僕が作るものは全て、その時々に影響を受けているものの産物だと思います。
ー音楽を作るうえで大切にしていることは?
プロセスを楽しんでいること。音楽は、僕にとって常に楽しい創作活動の場であり、それが嫌いになってしまったら、もうやる意味がありません。音楽が自分のキャリアになるとは思ってもいなかったので、その方面に踏み込むときは、あまり深刻に考えないように気を付けています。
ー今後の活動・リリース予定を教えてください。
僕が今考えているプランは、EPやアルバムをリリースするのに十分なオーディエンスがいると感じるまで、シングルをリリースし続けること。今作っているシングル曲は、僕のお気に入りの一つです。「Body Load(1 2 3 4 5)」というタイトルの、ハウスの要素がミックスされた曲で、楽しい歌詞にも注目してほしいですね。