LOONY
Instagram:@loonymoonchild
カナダ・トロント出身のR&Bシンガー。2020年4月に発表されたアルバム『JOYRiDE』以降着実にファンを増やし、今年11月に待望の新作EP『soft thing』をリリース。ネオ・ソウル、ゴスペル、ヒップホップが美しく融合したサウンドが唯一無二の存在感を放ち、急成長するカナダのR&Bシーンの中でもひときわ注目のアーティスト。
ーあなたが住んでいるところは?
カナダ・トロントにあるスカボローという地区で生まれ育ちました。世界中から集まった様々なカルチャーがミックスされている街なので、食べ物は世界中の本物の味を楽しめるし、アートも多くのカルチャーから影響を受けた素晴らしい作品が多い。とてもアーティスティックで活気のある街なので、ここで働けることがとても幸せです。
ーまわりの音楽シーンのトレンドは?
トロントはR&Bの分野でも知られていて、特にDRAKEやPARTY
NEXTDOOR以降は、ニューエイジのR&Bだけでなく、Daniel CaesarやBADBADNOTGOOD、Charlotte Day Wilsonなど、ライブ感のあるソウルミュージックやアフロビートも熱くなってきている。食べ物やカルチャーの多様性と同じく、人々が好むジャンルがとても多いですね。
ー今どんな音楽を作っている?
R&Bに分類されると思いますが、ポップスやジャズ、ゴスペル、ヒップホップなどから多くの影響を受けているので、色んなジャンルがミックスされているような感じで特定するのは難しいですね。
ー制作のインスピレーション源は?
創作中は音楽をあまり聴かずに、自分だけの世界に閉じこもりたい。誰にでもあるようなごく普通の生活や感情に興味があるので、日常のありふれた事柄からインスピレーションを得て、その感覚をパッケージ化し、自分自身を表現して、その感覚を人々に伝えるようにしています。例えば空を見上げながら、明日の自分の仕事はどうなるんだろうと考える。自分はとても大きな存在であると同時に、とても小さな存在でもあると感じるような。誰にでもいつでも起こり得る、一瞬の出来事のようなもので、それはとても面白いことだと思っています。
ー影響を受けた人・メンターは?
音楽とはあまり関係ないかもしれませんが、祖母は間違いなく私のメンターの一人です。祖母は革命期のハンガリーからカナダに亡命してきたのですが、女優や歌手になりたかったんです。彼女の考え方には多くの影響を受けましたし、たくさんのことを教えてくれました。それ自体が私を育ててくれたようなものです。
ー気になっている社会問題は?
たくさんのことが起こっていますが、今注目すべきはアフガニスタン、そしてパレスチナで起こっていること、さらにはアメリカで進行中のこと、例えば白人至上主義との戦いなどに注目しています。特にアメリカではやるべきことがたくさんあります。私が人生を通じて最も関心を持っている問題は、間違いなく人種差別です。特に黒人排斥について。私は白人が自分一人しかいないような環境で育ってきたので、自分の特権や立場を理解することができたし、それは私の人生の大きな部分を占めています。そしてそれは、私が反対の立場を主張する際の最大のポイントの一つです。
ー幼い頃から変わらない自分の性格は?
想像力の豊かさ。私はいつも圧倒的な景色や色に心奪われて、自分がお姫様にでもなったような想像をしていました。今はもうそんなことはありませんが、それでも想像力はとても豊かで、よくその中に入り込んで色んなことを考えています。子供の頃もそうでしたが、ボーっとしていることが多くて、立ち止まって何かを長い間見つめているような感じで。最近では、これからリリースする音楽のサウンドやミュージックビデオのイメージ、ツアー中の気持ちや様子など、たくさんのことを想像していますよ。
ー注目しているファッションブランド。
Dr.Martensが大好きです。ほとんどの服をヴィンテージショップで購入するので、何のブランドなのかわからないことが多いです。だから、Dr.Martensに注目していると言っておきますね(笑) トロントにはたくさんのヴィンテージショップがあって、私のおすすめはSiberia Vintageというお店です。あとトロントにもお店があるBirds of North Americaというカナダのファッションブランドは、私の体にピッタリなとても素敵なドレスを作っていてお気に入りです!
ー最近ハマっている音楽は?
Tiwa Savageというアーティスト。彼女は最高ですよ! あと、Terrace Martinも聴いています。
ー普段、どのような機器で音楽を聴いていますか?
シャワー中に音楽を聴くのが好きなのでiPhoneのスピーカーを使っていますが、それ以外ではいつもAirPodsを使っています。
ー今後の活動・リリース予定を教えてください。
今のところはちょっと未定ですね。創作活動は続けていますが、その中で何をするのかまだ決まってません。前回のプロジェクトをリリースしたばかりで、今はツアーに出る準備をしています。
*このインタビューは2021年12月30日に発売されたVI/NYL #003のために実施されました。
*写真は全てアーティストからの提供です。
■VI/NYL