#006-Wiley from Atlanta

#006-Wiley from Atlanta

Instagram:@wileyatl
 
6LACK、Future、Gucci Maneなどで知られるイーストサイド出身のラッパー、シンガー・ソングライター。ジョージア州アトランタ出身。デビューアルバム『Blue Don't Make Me Cry』に代表されるように、Wileyの音楽はロック、ソウル、R&B、フォーク、ヒップホップを融合し、ジャンルにとらわれず独自の路線を切り開く。アトランタの音楽シーン最前線にいる、注目のラッパー。

   


 

ー音楽を始めたきっかけは?

子供の頃、僕は聖歌隊に入っていたんだけど、両親も聖歌隊に入っていて水曜と日曜はいつも一緒に教会に行っていたんだ。父はよくアトランタ周辺のEddie's AtticやRed Light Cafeといった場所で演奏をしていたから、ライブに行くことはすごく当たり前のことだったんだよね。作曲を始めたのは中学生の頃、初めてiPodを手にした時。Lil Wayneに夢中で自分でミックステープを作ったこともあるし、とにかくLil Wayneのリミックスは全部聴いていたよ。初めてレコーディングしたのは、YouTubeで見つけたDrakeの「Over」のビートに乗せたフリースタイルだった。数年間はいくつかデモを作ったりレコーディングをしたりして、19歳の時に本格的に音楽を作り始めたんだ。そのうち色んなものからインスピレーションを得るようになっていったんだけど、今でもヒップホップが一番大きなインスピレーション源だと感じているし、ヒップホップはあらゆるものから何かを得ていて、世界で最も実験的なジャンルだと思うよ。

 

ー自分の曲の中で最もおすすめの曲は?

「Sex.Mp3 (Demo 003) 」を聴いてもらいたいな。僕のソングライティングの良い例で、小節を結構削ったんだ。この曲は家族について、特に自分が長男であるがゆえに感じるプレッシャーとか、愛と心の痛みについて歌っているというところも気に入っているポイント。亡くなった祖父の家で制作したことも、思い出深く感動的なんだ。

 

ー最新曲について教えてください。

最新アルバム『Kingfisher』はドライブで聴くのにぴったりだと思うよ。あとたばこを吸いながらとかね。『Boogie Nights』や『Fear and Loathing in Las Vegas』のワンシーンのようなアルバムを作りたくて、実際そう感じるかどうかはわからないけど、僕にとっては本当に映画のようなアルバムなんだ。特に「KEEP ME HIGH」と「CONTACT HIGH」は二面性を持った曲だから、ぜひ聴いてみてほしい。

 

 

ーあなたが影響を受けた音楽やその他の芸術は?

僕は映画から大きな影響を受けていて、ソングライターとして曲を書いている間、それぞれの曲を映画のワンシーンのようにイメージしているんだ。だから良い映画を観ることは、そのイメージをより鮮明にするためにすごく役立っていると思う。でも良い映画だけでなく、とんでもなくひどい映画を観るのも同じくらい好き。何も伝わってこない、ただ存在するだけの映画から得られるインスピレーションもあると思うんだ。それを観ることが正しいかはわからないけど、たまに脳を休めるのにはいいかもしれないね。

 

ー最近気になっているアーティストはいますか?

僕が影響を受けたアーティストとして必ず挙げるのはDavidTheTragic。彼とは知り合いでもあるんだけど、彼のペンはクレイジーで、あんなラップをする人は他にいないと思うし、本当に良いアイデアをたくさん持っている。好きなバンドはTwelve25で、彼らも知り合いなんだけど自分たちの道を突き進んでいて、きっと大物になると思うよ。親しみやすいサウンドだけど、同時に新しい感じもするんだ。Davidの音楽にも同じようなことを感じるね。Tate228もすごく良い。彼とのツアーから帰ってきたばかりだけど、あんな音楽を聴いたのは初めてだったよ。

 

ー今どんな音楽を作っている?

コンセプトに縛られることなく、できるだけ自由に制作しようと考えているところ。とはいえ、嫌でも次のアルバムのことを考えてしまうから、アイデアとそのためのデモはすでにいくつかあるんだ。僕は、聴く人が驚くような作品をリリースしたい。これまでに作ったものと同じようなサウンドのものをまた作ればいいという考えは嫌いだから、僕の作品を愛してくれる人たちが夢中になってくれるといいんだけど……。

 

ー今後の活動・リリース予定を教えてください。

結果的にどうなるかはわからないけど、今ミックステープを作っているところで、今年はたくさん音楽をリリースしようと思ってる。それから、今年は短編映画も書きたいと思っていて、2枚のアルバムのために1本書いたんだけど、残念ながらそのアイデアを完全には実行できなかったんだ。他にも、音楽から解放されるようなテレビシリーズのアイデアも練っているところ。

 

 

ー音楽を作る上で大切にしていることは?

自宅でのレコーディングでも、スタジオでのレコーディングでも、一番大切なのは、自分を抑え込まないことだと思う。色々なことにチャレンジすることを恐れてはいけない。もし高音で声が割れてしまったとしても、少なくともそこの音域まで声を持っていこうとチャレンジしたわけだから。それから、自分がやっていることを好きになることもとても重要なことだと思う。もし自分が取り組んでいることに対して不満があるのなら、それを放置して他のことに取り組んだり休んだりしてもいいんだよ。名声は目指すべきものではないしお金は必要かもしれないけど、楽しみながらお金を稼ぐことだってできるんだから。

 

 

*このインタビューは2022年5月14日に発売されたVI/NYL #006のために実施されました。

*写真は全てアーティストからの提供です。

 

■VI/NYL