昨年8月にデビュー10周年を迎えたKis-My-Ft2が、これを記念して全国5大ドームツアーを実施した。VI/NYLではキスマイのこれまでの軌跡と、感謝の気持ちが詰め込まれた、7月2日の東京ドーム公演初日の様子をレポート。約3年ぶりとなる有観客ドームツアーで感じた、彼らの新たな魅力に迫る。
本ドームツアーのタイトル『Kis-My-Ftに逢える de show』は、彼らがデビュー前に行っていた全国ツアーと同じタイトルで、ジャニー氏によって名付けられたものである。昨年デビュー10周年を迎え、12年目へ向けて歩み出した今、再びこのタイトルを掲げて全国を回ることは、彼らにとっても、ファンにとっても大きな意味を持っている。
二階堂が中心となって構成されたライヴの演出やセットリストは、デビュー前の楽曲から最新曲まで、まさにこれまでの軌跡を辿るような内容で、キスマイの幅広い魅力を感じられるものであった。
“ありがとう”や“感謝”が花言葉の13種類の花が散りばめられたメインステージに、ゆっくりと現れた7人が1曲目に披露したのは『Re:』。“ファンレターの返信”をテーマに制作された楽曲に乗せて、ファンへ感謝の気持ちを伝えた。
玉森がデザインから携わったという衣装は、これまで着用した衣装のデザインや生地がパッチワークで繋げられたもので、ここからもキスマイの歴史が感じられた。
『Everybody Go』や『SHE! HER! HER!』といった代表曲を続けて披露し、『Break The Chains』ではキスマイのドームツアー名物、特攻祭りが繰り広げられた。ファイヤーボールや火花が華々しく散る中でのダンスパフォーマンスは、まさに圧巻。振り付けは、千賀が本ツアーのために新しく手がけたもので、今のキスマイだからこその魅力が存分に感じられた。
パフォーマンス中の表情とは打って変わって、7人の仲の良さが伺えるMCでは、キスマイからファンへのサプライズが。玉森が主演を務めるドラマ『NICE FLIGHT!』(EX)の主題歌である、最新シングル『Two as One』をどこよりも早く初披露することが宮田から伝えられると、会場には大きな拍手が。
『Two as One』は“大人の恋”をテーマにした、ミディアムバラードのラブソング。航空業界を描くドラマの主題歌ということで、曲が始まる前には、二階堂の考案による飛行機が離陸するような臨場感あふれる演出が。また、タイトルの『Two as One』にちなんで、“2人で1つ”を表現した、ペアでの振り付けやフォーメーションにも注目が集まり、細部までこだわりが感じられるパフォーマンスも印象的。
『Two as One』の大人っぽくも爽やかなムードを残しながら、公演は後半戦へ。続けて披露されたラブソングでは、デビュー10周年を迎え、メンバー全員が30代に突入した今だからこその色気をまとったパフォーマンスが行われた。
デビュー当時からの人気曲『Tell me why』や、噴水の演出が美しい『Luv Bias』をしっとりと歌い上げ、ついにフィナーレへ。
本編の最後に披露された『足音』は、Kis-My-Ft2の10年分の軌跡と、ファンへの感謝が込められた一曲。バックモニターにこれまでのツアー写真が映し出される中でのパフォーマンスで、この先もファンと共に歩み続けていこうという彼らの強い思いが伝わった。
約2時間半、アンコール含め全36曲が披露された本公演で感じた、ファンへの感謝の気持ち。デビュー後わずか18日で東京ドーム公演を成功させ、男性アーティスト史上最速で4大ドームツアーを開催し、デビュー5周年にして観客動員数200万人突破を記録。その後も勢いを加速させ、常に最前線に立ち続けながらも、ファンと歩幅を合わせ共に歩み続けてきた10年間を振り返るような内容に、思わず心が動かされた。
また、大人になった7人の新たな魅力を存分に味わえるパフォーマンスも印象深い。キスマイの代名詞であるローラースケートや迫力あるダンスはそのままに、余裕と色気を感じるダンスパフォーマンスや、艶やかにバラードを歌い上げる姿が新鮮だった。
ついにデビュー12年目へと歩み出すKis-My-Ft2。今後さらに飛躍する7人の姿が浮かぶ。
【VI/NYL #008】
COVER / Kis-My-Ft2