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リトアニア・ヴィリニュス発、4人組ネオ・サイケロックバンド。ボーカルのŠarukas JoneikisとギターのMantas Joneikisは兄弟で、幼い頃から共にギターを弾き始め、20代になり本格的に曲作りを始める。その後ベース、ドラムメンバーの加入を経て2012年にバンドとしての1st EP『Venera』をリリース。地元リトアニアのフェスで勢力的に演奏を行い着実にファンを獲得。2022年4月、2018年ぶりとなるニューアルバム『Heart in a Plastic Bag』を発表。
ー音楽を始めたきっかけは?
最初の記憶は、親の影響で家にいる時にたくさん音楽を聴いたことかな。60年代、70年代のロックや、クラシックをよく聴いてた。子供の頃から、音楽は私たちにとってとても大切なものだったんだ。だから、同じような音楽を聴いている友人の輪がいつの間にか広がって、ごく自然に演奏するようになった。Led Zeppelin、The Who、King Crimson、Cream、Frank Zappaなどのライブ映像をたくさん観て、いつか彼らのように演奏したいと、当時から夢見ていたのを覚えているよ。
ー初めて聴くリスナーに自分たちの曲の中で1曲おすすめするなら?
難しい質問だね。どの曲も私たちのありのままの姿を表しているし、どの曲をおすすめするかは、そのときによるからね。今この瞬間に挙げるなら、「Lady Love」。ノスタルジーを感じさせながらも、明るさや希望に満ちた雰囲気もあるし、一曲の中で音楽のスタイルに変化を持たせているところも面白いと思う。他には『Room For You』の「Last Summer,s Day」、『Above Us』の「Grįžkit Iš Toli」、『Paskutinė Saulė』の「Jūros Dugne」もいいね。
ー最新曲について教えてください。
最新アルバム『Heart in a Plastic Bag』では、人々が大変な状況を切り抜けるための方法を探したんだ。今までのアルバムよりも少しヘビーな雰囲気だけど、今の僕たちには語るべき物語がたくさんある。この数年間で僕たちが経験した、最も美しく興味深い、神秘的な、あるいは奇妙な人生との出会いの物語。何か不思議なことが起こると、世界、瞬間、光、音など、周囲の環境がある種のメタファーとなってあなたを連れ去り、全てのものに対する深い理解を得るような気がする。僕たちは、そんな瞬間を音楽で表現しようと試みているんだ。
ー今どんな音楽を作っている?
メンバーはそれぞれ、様々なスタイルやジャンルの音楽に興味を持っていて、僕たちが作る作品にはそのとき興味を持っている音楽が反映されている。最近はドリーミーな歌モノのロックかな。
ー音楽を作る上で大切にしていることは?
自分たちのやっていることが正しいという感覚を得ること。そして、美しいとか、面白いとか、痛みを和らげて心を癒せるとか、この世界をより良い場所にできるとか、そういうものを感じられること。
ーあなたにとって音楽とは何ですか?
人間が持つ最も神秘的で美しい能力の一つ。
ー今後の活動・リリース予定を教えてください。
新しいアルバムをリリースしたばかりだから、コンサートシーズンが始まるのを待っているところ。ライブで何度も演奏して、できるだけ多くの人の耳と心に僕たちの音楽を届けたい。
ーアーティスト名に込められたストーリーは?
英語で“カーリー(「渦巻く」などの意)”という意味です。世界はカーリーで、そして人生もまたカーリーで、それらはとても美しいものだと思うから、バンド名に採用したんだ。
ーあなたが影響を受けた音楽やその他の芸術は?
René Magritteの絵画、Francis Ford Coppolaの『黙示録』、Jorge Luis Borgesの短編小説、Maurice Ravelの音楽、Jonas Mekasの詩など……。ここでリストを作ると多すぎるし、一番を選ぶのは難しかったから、ランダムに挙げるならこんな感じ。
ー影響を受けた人物は?
長い時間を過ごしてきた家族や友人からは、大きな影響を受けていると思う。そしてもちろん、僕たちが手や耳や目、そして心を傾けることができた、あらゆるジャンルの芸術における偉大な巨匠たち。
ー音楽の仕事以外に別の仕事をしている?
工事現場での作業、映画や文章の翻訳、グラフィックデザイン、絵画など、みんな少しずつ違う副業をしていることもあるね。
ー音楽の仕事以外なら何をしていたと思う?
自然を研究して自然を守るために働くと思う。
ー初めて買った曲やアルバムは何でしたか?
The Offspringの『Americana』と、Frank Zappaの『Sheik Yerbouti』。
ー趣味は何ですか?
自然を探索して植物、鳥、昆虫などに出会うこと。あと本を読んだり、映画を観たり、友人とコーヒーを飲んで話をしたりすること。
ーストレスを解消するためにしていることは?
ギターやキーボードで何か単調な練習をすること。
ー若い頃の自分にアドバイスするとしたら何ですか?
もう少し自分のやることに自信を持って。
ー最近、自分は何か変わったと思いますか?
強いて言うなら少し穏やかになったかもしれない。
ー最近買ったもので気に入っているものはありますか?
Jorge Luis Borgesの『砂の本』。
ーあなたの国の良いところを教えてください。
手付かずの自然が多くて、文明から切り離された空間、森、湖など、休息できる場所があること。
ー気になっている社会問題は?
ウクライナでの戦争。
ーあなたの夢は何ですか?
演奏をやめないこと。
*このインタビューは2022年5月14日に発売されたVI/NYL #006のために実施されました。
*写真は全てアーティストからの提供です。
■VI/NYL