#009-Nia Archives

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Instagram: @archives.nia

イギリス・ブラッドフォード出身、現在はロンドンを拠点にプロデューサー/シンガー/DJ/ビジュアルアーティストとしてマルチに活躍する新鋭。16歳の時に独学で楽曲プロデュースをスタート。音楽誌『NME』が選ぶ2022年の注目株100人に選出、その後同誌主催アワードにて年間最優秀プロデューサー賞を受賞。ヒップホップ、ソウル、ジャズ、サンバ、オールドスクールジャングルといった多ジャンルに影響を受けた、独特の美学と多彩なスタイルを持ち合わせる。デビューEP『Headz Gone West』以降2枚目となるEP『Forbidden Feelingz』を今年3月にリリース。




ー音楽を始めたきっかけは?

私はイギリス人とジャマイカ人のハーフということもあって、子供の頃から両方の国のカルチャーや音楽の影響を受けてきたし、成長の過程であらゆるジャンルの音楽に囲まれて育ったの。教会に通っていたから、その頃からゴスペルもたくさん聴いていたかな。音楽に関しては、始めたきっかけがあるというよりも、自分のライフスタイルの中に常にあるものだったわ。

 

初めて聴くリスナーにおすすめの一曲は?

セカンドアルバムのタイトル曲でもある「Forbidden Feelingz」は、今まで作ったものの中で一番お気に入りの作品で、オールドスクールなジャングルをベースに、私のパーソナルな要素をミックスさせているの。例えば、子供の頃、おばあちゃんとよく一緒に観ていたイギリスのテレビ番組『刑事コロンボ』をサンプリングしたりね。私というアーティストを、最も象徴する一曲だと思う。

 

影響を受けた音楽やアーティストは?

私はジャングリストだから、ジャングルミュージック(※UKハードコア由来のブレイクビーツの影響を受けながら、重厚なサブベース、デジタルなダブエフェクト、タフなサンプリングを駆使した音楽。ダンスホールレゲエスタイルのMCを加えることも多い。90年代にヒットしたH Jungle with tの“ジャングル”はこのジャングルを指す)全般が好きで、とても影響を受けてる。そのほかのインスピレーション源をあげるなら、Grace Jones、Amy Winehouse、M.I.A.かな。

 

最近興味を持ったことは?

M.I.A.のドキュメンタリー『Matangi/Maya/M.I.A』がすごかった! マネージャーから「こんなに素晴らしいものがあるなんて知らなかったから、絶対観た方がいい!」とおすすめされて観てみたんだけど、彼女の人生についての洞察がよく表れていて、とても理解できた。あと、そのドキュメンタリーの映像が、私の美的感覚に響くようなスタイルで撮影されていたところも興味深かったかな。

 

最近あった最高のニュースを教えてください。

イギリスの週刊音楽雑誌『New Musical Express』アワードで、年間ベストプロデューサー賞を受賞したこと! 子供の頃、毎週NME誌を買っていたから、とても光栄だった。

 

最近、自分は何か変わったと思いますか? 

たくさんのライブを経験して、自分の音楽がポジティブなフィードバックを受けているのを目の当たりにできたことで、以前よりとても自信がついたと思う。あとはInstagramで、私のセットリストがどれだけ気に入ったかをコメントで教えてくれる人たちがいて、すごく驚かされることも増えたかな。

 

もし音楽の仕事をしていなかったら?

ビジュアルアーティストとして、ビデオ撮影や、あらゆるクリエイティブディレクションをしていると思う。

 

好きなファッションブランドは?

ロンドンのブランド、Sinead Corey。ちょうど今、そのブランドのアーガイルのニットを狙ってるの。

 

最新シングルについてお聞かせください。

今年の8月に、CLIPZ、Beenie Man、ShaSimone、Cristaleと一緒に「No Time」という曲をリリースしたばかり。この曲は、実は2年くらい前から作っていて、やっと発表できたの。ずっと憧れだったBeenie Manと一緒に仕事ができたことがすごく嬉しくて、子供の頃の夢がかなったような気持ちになって、すごく誇らしかった。

 

音楽を作るうえで大切にしていることは?

自分が聴きたいと思う音楽を作ること。私はわがままなクリエイターだから、とにかく自分が好きなものを作ることだけを考えてるの。自分自身が、何度も繰り返し聴きたいと思わないような音楽をリリースするつもりはないわ。基本的に、私がその音楽を楽しめていれば、それを聴くほかの人も、きっと楽しんでくれるはずだと信じてる。

 

今はどのような音楽を制作していますか?

これまでよりもっと、ジャングルのサウンドを追求したいと思っているの。特に最近はサンバの音楽がとても好きで、様々な南米のサウンドを自分のUKジャングルのサウンドと融合させて、新しいものを作ろうとしているの。実際に、次のシングルではブラジルのサンバをサンプリングしていて、その曲のミュージックビデオを撮影するために、もうすぐブラジルに行く予定!

 

今後の活動・リリース予定は?

次のリリースは「Baianá」という曲で、まさに今最後の仕上げをしている段階。とてもパワフルで、素晴らしい曲よ。試しにこの夏の間ずっと流してたんだけど、すごく反応が良かったのでリリースが本当に楽しみ! サンバのサウンドと、その伝統へのリスペクトの気持ちを込めていて、ミュージックビデオをブラジルで撮影する予定なのも、その伝統ある文化を直接見てみたいと思ったからなの。

*このインタビューは2022年9月30日に発売されたVI/NYL #009のために実施されました。
*写真は全てアーティストからの提供です。